『京騒戯画』本スレの面白い解釈まとめ&『僕らのウォーゲーム!』関弘美プロデューサーが参加してることに気がついた

今朝は2ちゃんの『京騒戯画』本スレをずっと見ていた。ざっと読んだ限り、新作に関しては公開されて間も無いこともあり、まだ大したことは書かれていないようだ(上から目線)。しかしログを遡ってみると昨年配信された第一弾に関しては鋭い洞察や面白い解釈も多かった。ただぶっちゃけ本スレは半分以上がネガティブな意見で占められており、ログを漁る作業は大きな精神的苦痛を伴った。
せっかく見つけてきた意見をこのまま埋もれさせてしまうのは惜しい感じたので、個人的に面白いと思った書き込みをピックアップすることにした。前述の通り、これは僕が個人的に面白いと思った書き込みのピックアップであり、以下を読んだからといってスレの流れが追体験できるといった類のまとめでないことは留意して欲しい。なお、レスは全て2011年12月に書き込まれたものだ。
  

■ストーリー解釈
408 : 名無しさん@お腹いっぱい。 : 2011/12/11(日) 11:56:36.86 ID:qQ+iM4GJ0 [1/4回発言]
もう一周して妄想してみた。
 
鏡都は境都、現世とあの世のさかい、逢魔ヶ刻やたそがれの妖怪の国。
そして現世の鏡合わせのパラレルワールド
昔に居た強大な神がいなくなってから時は淀み、
世界を壊しても時の止まったここでは何もかもループし、復元する。
神を従えた王も消え、三人会議(人と妖と宗教)が裏で絶対的な決定権を持つ。
 
三人会議の子供達は王の子で、次世代を担うために集められた子ら。
王の消失(と帰還)はあらかじめ決定しており、
彼らは本当の両親と王や古都と二度の親の別れを迎え、それが彼らの傷と目的に。
彼らの目的は鏡都の真の再生と神と王(両親)の帰還。
 
コトは鏡合わせの世界へ呼ばれた。もしくは落ちてきた。
現世では普通の子供だったが、鏡都の王(ハクラン)の鏡合わせの存在なので
鏡都では超常の力を持つ。
鏡都で黒兎を見つければ、現世に帰れると教えられるが、
それは王が消えたので自身も姿を消した古都を呼び戻す為に仕組まれた罠で、
古都を呼んでしまえば、コトの存在は鏡都で王として固定されてしまい、永久に帰れない。
 
コト達と会い、王(父)の面影を見つけ、監視の為、居候させる明恵
王(父)ではないかと思いながらも、コト達との擬似家族生活に己の失ったものを見出す。
 
三人会議の鞍馬と八瀬はそれぞれ別なアプローチから、コトが王か見定めようとしていた。
 
長文スマソ。
復元することとかでふとビューティフルドリーマー思い出した。
ループ世界っぽくね?
 
449 : 名無しさん@お腹いっぱい。 : 2011/12/11(日) 15:03:06.49 id:Spn7e1qp0 [4/4回発言]
1.女子高生と兄弟はあの世界から帰りたいけど帰れない
2.兎を見つければ元の世界へ帰れると思ってる
3.神様のコト=黒兎だと主人公達は考えた
4.神様のコトは鬼と仏と坊主の母である
5.神様のコトを呼び戻す鍵=主人公だと鬼と仏は考え試験を行おうとした、坊主は反対した
6.試験の結果主人公が消滅しそうになった?
7.3人の母であり主人公を主と呼ぶ神様コトがあの世界に帰ってくる
8.それでも主人公は帰れない
※ショーコハカセはあの世界の管理者
※「最初の一人」と掟「無血の十戒」に3人は従っている
 
この話が分かりづらいのは起承転結の承の部分だけを切り取ってるから
映像的にも話的にも俺は好きだ、今後に期待
 
477 : 名無しさん@お腹いっぱい。 : 2011/12/11(日) 22:00:27.26 id:mO63dUG00 [1/1回発言]
1ショウコ博士が新開発したバーチャル3d体感ゲーム<京都>
2コトと阿吽はその試運転の抽選に選ばれた
3ゲームクリア条件は黒兎をみつけだすこと
4ゲーム内のキャラクター明惠・八瀬・陰陽師は兄妹
5母親は古都
6古都はバグにより長い間閉鎖空間に閉じ込められていた
7明惠達はその間に年をとり、古都の帰りを待っていた
8冒頭の椅子にすわってコンピューターを扱っていた男と女はコトの父と母←pvにも5人で揃っている描写がある
これぐらいしかわからん
 
488 : 名無しさん@お腹いっぱい。 : 2011/12/12(月) 06:49:46.93 id:JurT5ZAm0 [2/2回発言]
>>477
少なくとも和尚はショウコ博士から独立して動いてるっぽかったし
最後にビシャモンが未知のウイルス(狐面と古都)にやられてたから
博士は管理をまかされてるだけでもっと上の存在がいるのは間違いない
 
559 : 名無しさん@お腹いっぱい。 : 2011/12/13(火) 10:08:02.39 id:AQJsoPHR0 [3/3回発言]
うさぎ見つけて帰りたいよー

古都って神様が探してるうさぎかも

見つけたけど帰れないよー

続く
 
何も難しいことはない
 
774 : 名無しさん@お腹いっぱい。 : 2011/12/16(金) 17:32:38.93 id:Aq0KnSDT0 [1/2回発言]
コト(主人公)
なんか知らんけど迷い込んで来て家に帰りたい
ハクランの旦那と色々似てるそっくりさん、ひょっとしたらそっくりなだけじゃなくてなんか繋がってるのかも
三兄弟の主に兄と姉に騙されてカーチャンの餌にされる、結構被害者?
 
コト(神様)
三兄弟のカーチャン、なんか知らんけどどっか行ってた
ハクランの旦那をずっと待ってたんだけどパチモンのコトを旦那と間違える天然系オネイサン
 
明恵
コトちゃんに対する父離れとコト様に対する乳離れが出来ない残念系イケメン坊主
兄と姉の企みを阻止しようとするが失敗したが、結局コトちゃんは無事だったわけだし
おまけに帰れない=離れる必要はない、カーチャンも帰ってきたから結果的には万々歳なんじゃねえの?
 
鞍馬と八瀬
コトちゃんをエサにカーチャンを呼び戻そうとしたマザコンども
 
阿吽
どっちがどっちなんてどうでもいいというかこいつら居る必要なくね?
 
ショーコ博士
お前結局何したかったんだよ
 
ハクラン
コト様の旦那で、嫁をずっと放置プレイする鬼畜系男子
一度失敗しかけたコトちゃんエサ作戦を持ち直させた?辺り、コトちゃんとコト様を引き合わせたい百合厨かもしれん
 
こんな感じのアニメか
 
■ハクラン(コトに似ている狐面キャラ)は何者?
691 : 名無しさん@お腹いっぱい。 : 2011/12/14(水) 18:15:42.42 ID:/Ic3gpDR0 [1/1回発言]
狐のお面被ったヤッターマンみたいな奴が刀でなにか斬ってたけど
なにを斬ってどんな効果があったのか誰かおしえてくれ
 
693 : 名無しさん@お腹いっぱい。 : 2011/12/14(水) 18:28:11.58 id:Zy48vAtx0 [5/6回発言]
>691
斬ったのは祭りの山車。
昼間のシーンで出てたなんかゴツゴツした緑色のよくわからん球体。
 
斬ったことでどんな効果があったかはわからない。
明恵達の「三人議会」の舞台が閉鎖環境から
オープンな状態に切り替わる(22:12あたり)暗喩かなんかかね。
 
695 : 名無しさん@お腹いっぱい。 : 2011/12/14(水) 18:38:33.08 id:uOmwrIba0 [1/4回発言]
>>693
現時点ではどの勢力にも捕捉された描写がない(よね?)あたりを見ると
どの勢力に対してもイレギュラーになりうるやもしれん
 
しかし続きがあるならハクランにはもっと色々バッサバッサ斬ってくれると嬉しいねえ
 
サムライチャンプルーみたく1フレームで振り切る太刀さばきとか
名前繋がりでハクメンみたいな重い一撃もありか
 
699 : 名無しさん@お腹いっぱい。 : 2011/12/14(水) 19:26:14.41 id:Zy48vAtx0 [6/6回発言]
>695
PVの演出見ると、あれはコトの「鏡写しの自分」のような感じがするな。

阿吽の狛犬を引き連れてハンマーを持ったコトと
狐二体を引き連れて直刀を持つハクランで対にしてるように見える。

未来のコト自身、あるいは鏡都に来る前のコト当人、という線もありそうだが
まあ続き見ないとわからんね。
 
■コトとハクラン(ハクラン=コトに似ている狐面キャラ)
489 : 名無しさん@お腹いっぱい。 : 2011/12/12(月) 06:59:50.62 ID:2PtzL8lf0 [1/1回発言]
ハクランはコトの鏡都に対する思いが具現化したものなのかな
 
491 : 名無しさん@お腹いっぱい。 : 2011/12/12(月) 08:46:57.07 ID:1XsXHEtb0 [1/1回発言]
ハクランが左利きなのは右利きのコトの鏡合わせの存在だからか?
左手でサーベル使ってるのすごい違和感あるんだよな
 
769 : 名無しさん@お腹いっぱい。 : 2011/12/16(金) 09:09:57.75 id:XsQOpU+C0 [1/4回発言]
ミヤコと読んで京都だったりもするから悩ましい。
 
ていうかPVでコト様との剣戟ラストで面が取れてるから、ハクランの中の人はコトなんじゃないのあれ。
その後のコト様とコトの構図もポーズは同じだけど場所を変えてる(交錯後?)し。
 
■コトと黒兎
538 : 名無しさん@お腹いっぱい。 : 2011/12/13(火) 00:30:47.12 ID:Ec/i9aWZ0 [1/1回発言]
黒兎=コト?ロゴで兎がハンマー持ってるし。
・黒いセーラー服と白い学ラン
・狐兎「コト」
キャラデザ的にコトとハクランは対になるんだろうけど
祭りの神輿を斬るシーンの意味とかコト様の存在とかよく分からん。
 
541 : 名無しさん@お腹いっぱい。 : 2011/12/13(火) 01:58:50.06 id:AQJsoPHR0 [1/3回発言]
>>538
主人公のコトが探してる「黒兎」ってのが主人公自身のことっぽいよね

お話が分からないって人結構いるみたいだけど
構成自体は簡単だよ

何らかの事件が起こって主人公のコトはあの世界に閉じ込められた

1.コトと兄弟はあの世界から帰りたいけど帰れない
2.兎を見つければ元の世界へ帰れると思ってる
3.神様の古都=黒兎だと主人公達は考えた
4.古都の屏風を見つけたけれど主人公達は帰れない
4.古都はあの世界の住人である鬼と仏と坊主の母である
5.古都を呼び戻す鍵=コトだと鬼と仏は考え試験を行おうとした、坊主は反対した
6.試験の結果コトが消滅しそうになった?
7.狐面が現われコトを救った?
7.古都があの世界に帰ってくる
8.それでもコトは帰れない

最終的にコトが元の世界に帰還するorしない

世界設定やお話が分からないのは物語の頭と尾っぽがないから
意図してやってんのかは知らないけど俺は好き
 
■コトと古都
775 : 名無しさん@お腹いっぱい。 : 2011/12/16(金) 17:41:50.13 id:XsQOpU+C0 [2/4回発言]
呼び戻したんじゃなく、「コト」という読みの共通性を利用して
主人公と古都様を「重ね合わせて存在させてる」んだったりしてな。
 
最終的に古都様になる代わりに「コト」は消えてしまう(明恵が反対してたのはこのせい)、
とかそういう展開に持って行くんだったりして。
 
■ウサギ頭は何者?
776 : 名無しさん@お腹いっぱい。 : 2011/12/16(金) 17:45:34.30 ID:/bZDGik70 [1/2回発言]
ジャージのウサギ頭はなんなのさー
 
778 : 名無しさん@お腹いっぱい。 : 2011/12/16(金) 17:56:40.47 id:g8Z1riFA0 [2/2回発言]
>>776
オヤジウサギって言うらしいけど謎だよな
PVではハクランと微妙に接点ありそうな雰囲気
 
あと本編では黒ウサギって2回出てきてるけどあれはなにかの象徴なんかね?
特に2回目の八坂神社の灯篭に向かって消えていくシーンが意味深
 
779 : 名無しさん@お腹いっぱい。 : 2011/12/16(金) 18:07:05.50 ID:/bZDGik70 [2/2回発言]
>>778
オヤジウサギかー
年月経過考えるとオヤジウサギが古都様の旦那?でもおかしくはないような
ハクランの刀に白ウサギついてるし関連は濃厚っぽいね
 
黒ウサギはビジュアル的に古都様に関係してるんじゃないかな
 
783 : 名無しさん@お腹いっぱい。 : 2011/12/16(金) 18:48:02.29 id:Ltt28J6w0 [2/2回発言]
オヤジは明恵と知り合いっぽいがチェスに干渉できる重要ポジっぽくもある
ハクランが連れてる妖怪はチェスやってる夫婦の子供だし
この辺は勢力というかポジション的にひとくくりにできそうだよね
 
784 : 名無しさん@お腹いっぱい。 : 2011/12/16(金) 19:13:45.37 id:XsQOpU+C0 [4/4回発言]
チェスやってる夫婦(と子供二人)はスペシャルとリンクの頁でビジュアル確認できるな。
 
箱庭の外でゲームを楽しむプレイヤー、てところか。
 
■台詞のメタ解釈
344 : 名無しさん@お腹いっぱい。 : 2011/12/10(土) 00:50:56.23 id:WrHEwj8G0 [1/5回発言]
>>338
尺25分で話題になるような作品作ってくれって言われて理恵ちゃん監督も頭抱えたんじゃないだろうか(オリジナルができるチャンスとも思ってただろうけど)
記憶あいまいだけどコトvsビシャマルの前のやり取り「冗談にも意味が必要なのか」「若さに期待している」「無理ゲーですね」「期待しすぎるのはよくないわよ」
のあたりは監督の気持ちも入ってるんじゃと妙に勘ぐってしまうw
 
■冒頭の詩の和訳(『鏡の国のアリス』のエピローグ)
245 : 名無しさん@お腹いっぱい。 : 2011/12/07(水) 09:48:42.17 ID:90BZYZ+k0 [1/1回発言]
Aboat beneath a sunny sky,       晴れた夏空の下のボートが
Lingering onward dreamily        夢見るように漂い進む
In an evening of July--          七月の夕暮れどき――

Children three that nestle near,     近くに群がる子供ら三人
Eager eye and willing ear,        きらめく瞳に熱心な耳
Pleased a simple tale to hear--     簡単なお話を聞いて喜び――

Long has paled that sunny sky:     あの晴れた空はとうに色あせ
Echoes fade and memories die.     こだまは消えて記憶は薄れ
Autumn frosts have slain July.      秋の霜が七月を斬る。

Ever drifting down the stream--     果てしなく流れを漂い下り
Lingering in the golden gleam--     黄金の輝きの中で戯れ
Life, what is it but a dream?       人生、まさに夢ならんや?
最初の英語はコレかな

http://logsoku.com/thread/ikura.2ch.net/anime2/1322988862

 
ログを遡ってみて特に面白いと思ったのが、「コトが探している黒兎が実は自分自身なのではないか」という説。『鏡の国のアリス』がモチーフとなっているだけあり、「黒兎←→コト←→古都」という合わせ鏡のような関係が設定されているのだろうか。また、コトとハクランの利き手が逆であることに着目しているレスも鋭い。
ちなみに監督の松本理恵は以前インタビューで『鏡の国のアリス』について以下のようなことを言っていた。

――「鏡の国のアリス」のどんなところがお好きなんですか?
 
「わたし、ダジャレが好きなんですよ。だから、汽車のなかでダジャレを言う蚊(笑)。あのキャラが大好きで。しかもアリスが蚊に対して、すごく辛辣なんですよね。あと『鏡の国のアリス』って『夢か現実か』みたいな、そういう部分がベースにある。アニメにも、現実じゃないものをいかにもっともらしく見せるか、みたいなところがありますけど、ああいう雰囲気が好きなんです」
 
――なるほど。そういう部分は確かに、「京騒戯画」にもありますね。
 
「一応、PVも今回の短編も『ことば遊び』が基本にあるんですけど、そのあたりでもたまに『アリス』を下敷きにしているところがあります。1本の筋としてお話はあるんですけど、そのまわりに謎かけだったり、ことば遊びを散りばめてるというか。謎が謎のままになっているところもあるし、見た人が『あれ、どういうことだったのかな?』って考えてくれればうれしいな、っていう」

オリジナルアニメーション「京騒戯画」監督松本理恵ロングインタビュー | WebNewtype

 
言われてみればあの言葉遊びのセンスはルイス・キャロルを意識してのものだったのかと納得。
ちなみに本編第一弾冒頭の英語の詩だが、第二弾冒頭ではあの意訳版が流れる

■冒頭30秒あたりからの詩

あれはいつだったろう。
夕暮れに輝くまばゆい空の下、私達の小舟は夢見るように漂っていた。
三人の子供達はもっとお話聞かせてと、嬉しそうに身を寄せてくる。
あの空の輝きも色あせて久しい。
子供達の笑い声も、楽しかった記憶も、冷たい秋の霜にかき消されてしまった。
あの空の下で輝いていた彼女は、一体どこに行ってしまったのだろう。
彼らが生きる不思議の国はいつまでも夢を見る。
夏は死に、夢だけが生き続ける。
常にその流れを下り、金色の輝きに漂うばかり。
人生とはつまり、夢を生きるということなのだろうか。

 
石田彰の優しい語り口が印象的だ。『ピングドラム』の多蕗先生を思い出した。
わざわざ二話連続で冒頭にこの詩を持ってきたということは、作品を貫くテーマが込められているのだろうか。
 
それから昨日の感想を書き終えてから気づいたのだが、『京騒戯画』のプロデューサーが浅間陽介から関弘美に交代していたようだ。これはシリーズにちょっとしたテコが入ったと見て良いのではないかと思う。前任の浅間氏は比較的若いプロデューサーだったが、関弘美と言えば東映の名物プロデューサーだ。ちょうど先日書いた『ひみつのアッコちゃん』のエントリで触れた細田守のコラムにも登場していた。

WEBアニメスタイル_特別企画
自作を語る『ひみつのアッコちゃん』「わたしの好きなアッコ」細田守
 だが、そんな軽い気持ちで参加した第3作「ひみつのアッコちゃん」の第6話で、わたしにとってひとつめの幸運な出会いを果たした。幸運とは関プロデューサーのことである。関プロデューサーはわたしを見つけるなり、「あんたみたいなヒヨっ子のしょんべんたれになにができるのさ」と言わんばかりの勢いで、「はじめまして。関でぷー」とにこやかに言った。わたしは瞬時に思った。これは今まで以上に気合いを入れて取り掛からないと、捕って喰われる、と。あまりの緊張感と恐怖でわたしのきんたまは縮み上がってしまい、シナリオ打ち合わせの時に一言も声を発することができず、ライターの方や代理店の方の声も耳に入らなかった。

 
……関氏のキャラクターに関して少しばかり誇張がありそうな気がしないでもないが、あの細田監督がたじろいだほどである。やはり個性豊かなプロデューサーなのだろう。ちなみに関氏は『デジモン』シリーズも手がけていて、細田監督の『僕らのウォーゲーム!』のプロデューサーも務めている。『僕らのウォーゲーム!』のDVDには細田監督と関プロデューサーの対談も収録されていた。
関プロデューサーに関して触れられているアニメスタイルの記事をもう一つ発見したので引用する。

WEBアニメスタイル_特別企画
初心者のためのホソダマモル入門・その3 細田守の代表作を概観してみるぞ!
 また、本作では関弘美との出会いも大きかった、と細田は様々なインタビューで語っています。アニメスタイル第2号(美術出版社)における細田自身の寄稿「わたしの好きなアッコ」では、その第一印象を「これは今まで以上に気合を入れて取り掛からないと、捕って喰われる」と語っています。
 関弘美は『ママレード・ボーイ』や『デジモン』シリーズ、『おジャ魔女どれみ』シリーズなどで有名な東映アニメーションのプロデューサー。作品のコンセプト面に大きく関わり、演出家に対して的確なアドバイスをする事で知られています。演出家になりたてだった細田にも、多くの助言があったのではないでしょうか。

 
Wikipediaの「関弘美」の項(→http://wikipedia.gwbg.ws/ffih)でも「かつてシナリオライターとして活動していた経験から、シナリオ監修としても携わるほど企画面においては一切の妥協を見せない」と書かれており、氏の作品と密接に関わろうとする姿勢が伺える。
 
また、松本監督には『僕らのウォーゲーム!』の細田演出に憧れて東映アニメーションに入社したという逸話がある。

略歴
高校1年の時に友人から勧められたアニメのビデオを見せられ、その内容や表現に「アニメってこんなこともできるのか」と驚き、医学部志望だったのを取りやめ、アニメ製作の道を心ざす。この時見た作品『劇場版デジモンアドベンチャー ぼくらのウォーゲーム!』が、当時東映アニメーションに所属していた細田守の手による物だと知り、細田のいる会社に入るため東映アニメーション研究所に入所、その後東映アニメーションに入社する。

松本理恵 (演出家) - Wikipedia

 
このことからも今後の松本監督と関プロデューサーとの関係に注目したくなる。おそらく初タッグということではなく、『フレッシュプリキュア』あたりで既に一緒に仕事をしたことがあるのではないかと思うのだが。
ちなみに関氏が『京騒戯画』に参加されていると気づいたきっかけは、第二弾の先行上映が行われたイベントのトークショーに氏が参加していたため。イベントレポートは以下の記事に。
ラブロマンスでナメック星人で変身少女もの!?「京騒戯画」第二弾先行上映会レポ - エキレビ!(1/3)
9月3日からはイベントの映像が限定配信されるので、こちらも関プロデューサーの言葉を聞くチャンス。
http://live.b-ch.com/kyousogiga
 
どうせなのでここにネット上で読める他の『京騒戯画』関連のインタビューをまとめておく。他にあれば教えて欲しい。

松本理恵監督へのインタビュー
ウルトラジャンプ Page.1
オリジナルアニメーション「京騒戯画」監督松本理恵ロングインタビュー | WebNewtype
 
■プロデューサーサイドへのインタビュー
京騒戯画
これ萌えじゃないな?〈東映アニメ&バンプレスト初コラボアニメ「京騒戯画」制作秘話 前編〉 - エキレビ!(1/3)

 
余談だが、これらのインタビューで気になったのが、松本監督がかたくなに『僕らのウォーゲーム!』のタイトルを口にしようとしないことだ。以前限定公開された松本監督による本編コメンタリーでも「あるアニメ映画に影響を受けた」とは語っていたが、そこで司会の方からいくら追求されてもタイトルだけは口にしようとしなかった。そこに何か特別なこだわりがあると思われるが、はたして語ってくれる日は来るのだろうか。というか、そもそもWikipediaの記事のソースがどこだったのかも気になる。
 
追記
第一弾と第二弾のプロデューサー陣のクレジットを見比べてみた。

■第一弾
ゼネラルプロデューサー:春山ゆきお、堀越一佐武
アニメーションプロデューサー:浅間陽介
クリエイティブプロデューサー:平田滋
プロデューサー:小出慎太郎、北村聡
 
■第二弾
エグゼクティブプロデューサー:春山ゆきお、堀越一佐武、関弘美
クリエイティブプロデューサー:平田滋、小出慎太郎、北村聡

このように役職が4つから2つに削られている。これを見るに、元々浅間氏がいた位置にそのまま関氏が入ったというわけでも無いのかもしれない。