『京騒戯画』第二弾1話感想:前回より分かりやすかった&既に次シリーズへの予感が!

京騒戯画』の新作が公開されました。早速観ましたが相変わらずのハイテンションで面白い!一時はなかなか続報もなく、まさか企画が頓挫したのではと勝手に心配してましたが、無事展開してくれるようでなによりです。
今回の新シリーズは全5話構成らしく、2話以降は10月〜12月にかけて順次公開予定。前回公開されたのは本編が25分でしたが、今回は1話につき10分ほど。全部で50分程度=テレビアニメ4話分ほどということになるようですね。

■全話無料配信中!
今ならたったの35分で追いつけるのでまだ観てない人はとっとと観ましょう。
第一弾

第二弾の1話

  
というわけで以下ネタバレ。
まず、前作の配信から大分時間がたっているのでおさらいしましょう。…と言っても前回は色々ぶっ飛んでましたので、分かる所分からないところがありますが。

■第一弾おさらい
・キャラクター一覧
京騒戯画 公式サイト 東映アニメーション

・主人公のコトちゃんは「くろうさぎ」を探し出し、今いる「鏡の国=鏡都」から「元いた世界=京都」に戻ろうとしている(→ルイス・キャロルの『鏡の国のアリス』がモチーフ)
・もう一人のコトがよくわからん三人組のお母さんという事らしい。もう一人のコトを復活させる鍵となるのが、主人公のコトちゃん。
・最後にもう一人のコトを呼び戻すことには成功するが、コトちゃんは元の世界に戻れなくなってしまう
・コトちゃんが冒頭で戦ってる連中がなんなのかは分からない。狐のお面の人もよく分からない。ロボに食べられることがもう一人のコトを呼び戻すきっかけとなったのもよく分からない。コトちゃんの弟分として出てくる二人の使い魔(?)もなんなのか分からない。
・「Now loading」がいまいち分からなかったのが悔しい。

『京騒戯画』感想 フリクリなようでフリクリでない - さめたパスタとぬるいコーラ

 
前回自分で書いた感想から引っ張ってきただけですが、ざっとこんな感じでしょうか。「その疑問点は既に考察がなされていて解決済みですよ〜」ってのがあれば教えてくれると嬉しいです。が、流して観た限りではまあ謎だらけといった感じでした。一応、その後見返してみて気づいた点を以下に書き足しておきます。
まず、「よくわからん三人組(明恵、鞍馬、八瀬)」について。鞍馬と八瀬はそれぞれ「お坊さん陣営(鞍馬)」と「妖怪陣営(八瀬)」を代表してる模様。これに加えてしょーこ博士などの居る「人間陣営」がある。ということで、主人公が迷い込んだ鏡都では“「人間陣営」vs「お坊さん陣営」vs「妖怪陣営」”という三つ巴のゆるいバトルが日夜行われている・・・という認識で良いのかな。この中で明恵がどういった立ち位置なのかよくわからないですが。
それから、公式サイトなどを見ると、前回の感想で「もう一人のコト」と表現してたのは「古都(こと)」という表記が正しいみたいですね。
 
前回の配信分ではこうした断片的な情報がワーっと流れてきたので、てっきりあれは前日譚というか、エピソードゼロ的な位置づけになるものとばかり考えていました。ところが今回の第二弾を観てアグレッシブだなと思ったのが、「前日譚の前日譚をやってる!?」というところ(笑)。トトロ風に言うと、「前日譚だけど前日譚じゃなかった!」。
一見すると時系列が分かりづらいですが、大まかに以下のようになるのではないかと思います。

■第二弾1話内の時系列
コトの京都での幼少期→コトの鏡都に迷い込んでからの生活=第一弾の時期に近い(7分あたりから)→コトが京都から鏡都へと迷い込む場面(8分40秒あたりから)

まず前提として、今回の話は基本的に「回想」です。これはサブタイトルが「コト、主人公かく語りき」となっていることからも、冒頭と終盤(8分17秒あたり)の「写真を振り返るかのような演出」からも分かるかと思います。そして一番最後(8分40秒から)の鏡都への一歩を踏み出す描写というのは、時系列的には「コトの幼少期」と「鏡都に迷い込んだ後(7分あたりから)」の間に位置しているわけですね。微妙にシャッフルして描かれている。そして古都が月面にいる(8分35秒あたり)ことからも、どうやら今回の話は全体として、時系列的に第一弾の最後の少し前にあたることが分かります。前回のラストで古都は月から地球に帰ってきていますからね。
このややトリッキーな構成を理解できれば、後はまあ、オーソドックスで分かりやすい回想編と言えなくも…な、ない?w
実際コト関係の情報はそれなりに出てきた感がありますね。前回謎だった狐のお面を被った人の正体がコトの先生と分かり、コトの幼少時の描写もそれなりにされ。コトがウサギを追って鏡都に向かってしまうというのはやはり『アリス』ですね。
依然として謎なのは古都関連のあれこれや、京都&鏡都の世界観の詳細=その他全部といった所でしょうか(笑)。
 
前回は「作品全体から漂う気持ち良い疾走感こそが作品のテーマであり、それはつまり本編と本編に先行して公開されたPVの映像が本質的には同質」みたいなことを感想として書きました。ですが今回は二作目ということもあり、作品世界を多角的に見ることができるようになってきていますので、そうしたメタな楽しみかたをしないでもイケる内容となってきている気がします。普通のアニメに半歩近づいたぜ!やったね!
 
さあさあ次回以降どうなるのでしょう、楽しみです!……的なことを書いて締めくくろうと思ってたんですが、2ちゃんの京騒戯画スレ覗いてみたら驚愕情報が。

465 名無しさん@お腹いっぱい。 Mail:sage 2012/08/25(土)23:48:07.30  ID:YbPB8v7/0
8月31日(金) #1「コト、主人公かく語りき」
10月27日(土) #2「ショーコ、科学者あわて窮す」
11月10日(土) #3「八瀬、鏡都妖怪通信」
12月8日(土) #4「明恵、坊主かく語りき」
12月22日(土) #5「古都、黒兎回想録」
 
470 名無しさん@お腹いっぱい。 Mail:  2012/08/26(日) 21:28:16.07  ID:T9yBjA7g0
関プロデューサーが
主人公かく語りき、5分のPV、1話の順って言ってたな
あと会場に客に紛れて監督が居たらしい
 
472 名無しさん@お腹いっぱい。 Mail:sage 2012/08/27(月) 06:49:21.41  ID:1XNEYaEx0
起動ノ書にも監督のインタビューが載ってるね
監督的には最初の5分PVも次の30分のアニメも同じ位置付けだったとのこと
30分で全部説明するのは無理だから、世界観と雰囲気だけでも勢いよく見せようと思って出来たのがあのアニメ
関プロデューサーからは動く企画書と言われた、なんてエピソードも
 
ステージでは釘宮さんがこの世界観が大好きだって何度も言ってたのが印象的だったな
なんだか嬉しくなった

京騒戯画 3

 

個人的には正直早くも第三弾来るんじゃね!?という確信に近い何かが生まれています。しかしそれはつまりこの第二弾が5話もかけた壮大な序章ということに(笑)。
で、もう一点なんですが…。

関プロデューサーが
主人公かく語りき、5分のPV、1話の順って言ってたな
 
監督的には最初の5分PVも次の30分のアニメも同じ位置付けだったとのこと
30分で全部説明するのは無理だから、世界観と雰囲気だけでも勢いよく見せようと思って出来たのがあのアニメ

うわーっ!!上にもチラっと紹介したけど、前回の感想で書いたことが当たってるwww

■前回書いたこと
『京騒戯画』感想 フリクリなようでフリクリでない - さめたパスタとぬるいコーラ
じゃあ今作の主題ってなんだったのだろうと冷静になって振り返えってみました。そこで結局、テンポの良い台詞運び、気持ちの良い音楽や画面構成自体が作品のテーマだったのではないかと思い至ったんです。もう以前の世界には戻れなくて、この混沌とした世界でやってくしかないんだぜ、という。
それってメタメタで自己言及的なんですけど、そんな現状を決してシニカルに描いているわけではなく、実に楽しくアニメートしてくれている。そこが『京騒戯画』を「『フリクリ』っぽい」と呼んでしまうと誤解があるかもしれないと思った一番の理由で、本作では思春期的なグダグダのようなものは全く問題とされていないんですよね。
本編とPVが同質なのではないかと思った部分というのはやはりそうした所で、『京騒戯画』が「アニメーションとしての気持ちよさ」そのものを主題としている部分があるということは、「本編」で楽しむことだけが絶対なのではなく、本来ただのプロモーションの一環でしかない「PV」にまで、立派なシミュラークルとしての強度が与えられているのではないか、という事なんです。

 
なんか若干電波入ってる気がしないでもないですが…。個人的にはそれなりの確信を持ってドヤ顔で書いてましたが、こうピシャリと当たる部分があると三割ましのドヤ顔をしてしまいますねふへへへ。
最初に公開されたPVも単体の作品であるというお触れがあったことですし、改めてそちらを観てみるのも面白いかもしれませんね。というか改めて観てみたんですが、やっぱり面白かった!やはりこのPVは非常に良いです。疾走感が半端じゃありません。

改めて観ると本編に無いシーンだらけですね(笑)。第一弾の本編を観たときはコトと古都は殆ど面識が無いものと思ってましたが、第一弾の時点で既に一戦交えた仲だったんですね。すっかり忘れてましたが、ウサギの着ぐるみに入ってるのは誰なんでしょ。コトの先生?
うーん、また続きが気になってきました。10月27日配信の2話が楽しみです。
 
■追記
そうそう、コミカライズ版が9月27日に発売されるので、そちらも要チェックですね。
Amazon CAPTCHA