血界戦線のアニメが面白すぎて毎日が楽しい

血界戦線のアニメが始まりました。
元々原作ファンでテレビアニメ化は悲願でしたが、絵的に重たくなるのが自明ということもあり、半ば夢物語としてアニメ化することを願い続けておりました。

※アニメ化の話が影も形も無かった頃の僕のツイート

なので昨年、本当にボンズ制作、しかも松本監督という布陣で作られると発表されたときには狂喜乱舞しました。

※アニメ化が決まった直後の一般的なファンの反応

 
先週第1話が放送されましたが、期待に違わぬ素晴らしい内容でございました。
特にクラウスさんが必殺技を出すシーンの盛り上がりがお気に入りです。メリケンサックから出る十字の処理がやたら格好良いのです。この場合どの役職を褒めれば良いのでしょう。撮影さんですかね。とにかく格好良かったです。ありがとうございました。同じボンズということもあり、スタドラ最終回のエフェクトを思い出しました。


私的にはひたすら快楽を注入される麻薬のような30分でしたが、少なからず批判的な意見を持った方もいたようです。批判の中には百歩譲って頷けるものもあれば、ちょっと同意しかねるものもありました(どちらにせよ頷くのは百歩譲ってからw)。
同意できない批判の最たるものは、ストーリー構成に対する批判でしょうか。時系列シャッフルがリズムを崩し、導入部を分かりにくくしてしまっているという意見です。
気持ちは分かるのですが、分かりやすさは必ずしも最優先ではないと思うのです。血界戦線は原作からして「読みづらい」漫画です。絵柄的にも構図的にも、良く言えば情報量が多く、悪く言えばゴチャゴチャしてます。個人的には作者の前作『トライガン』から継続して読み進め、徐々に文法というか、作品のリズムに慣れてきたことで、最近は随分読みやすくなりましたが……。そんな過剰な密度感こそ、内藤作品の醍醐味だとおもうのです。
時系列シャッフルのようなトリッキーな構成は、そんな原作の魅力とマッチしてるように思います。ただ、一般的な作品の基準に照らし合わせて考えれば、ただでさえ情報量が多いところに時系列シャッフルをかましてるわけですから、不親切極まりない。でも、だったら2度、3度観なおせばいいじゃん!
 
レオがライブラに転属予定だった赤の他人「ジョニー・ランディス」と間違われ、ライブラに潜入できてしまった……というくだりの分かりにくさは確かに感じました。あとは、1話のオチで、ゲートが音速猿ではなく、猿に取り付いたノミのほうだったというネタも初見では分かりにくい気がします。ブチっとノミをつぶすカットが一瞬しか映らないのが、分かりにくさに拍車をかけてるのではないかと。
 


 

猿ではなく……。

猿に取り付いたノミがゲート。

ゲートと魔神の関係に関しては台詞が原作から大幅に省略されたせいでなかなか分かりにくくなっていますが、注意深く見ていれば、最低限、強盗のゲートとノミのゲートが同質のものと分かるので、チンプンカンプンということにはならないかと……。


最初のゲート出現時の構図が、ラストのノミと同じ。

ヘルサレムズロットという街の設定や、レオの目の能力といった基本情報は流石に台詞で説明されるものの、その他の見逃したら話の筋が分からなくなるほどの重要情報をさらっと演出だけで見せようとする攻めの姿勢。諸刃の剣っぷりは、現に振り落とされてる視聴者がわりといるっぽいことからもよく分かりますが、予めスルメ作品と分かって好き好んで観ている身としては、油断せず画面に食い入るだけなのでした。あとは好みの問題もあるよね。
東映アニメーションの監督は音響監督を兼ねるのが伝統となっていますが、東映出身の松本監督も例に漏れず、本作で音響監督を兼任しています。だからだと思うのですが、音響面でも攻めの姿勢を感じます。1話だとメガホンで叫ぶフェムトと、異界のおっさんがレオ達に神々の義眼を渡そうと接触するシーン。ここ、雰囲気はとても良く出ているのですが、その反面、声の加工がかなり入っているせいで、注意深く耳を傾けないと何を言っているのかさっぱり分かりません。他にも重要な台詞にジャジーなBGMやSEが容赦なく被さり、聞き取りにくくなっているシーンがいくつかあり、ごった煮感の加速が凄いことになってます。


ここのフェムトの「それもこれも全部君達のせいだぞー!」という台詞はわりとどうでもいいですが……

こちらの「選ぶがよい。見届けるのはどちらだ?」は聞き漏らすと前後が相当分かり難くなる。

 
あと、1話はアバンの美しさでやられました。なんかすっごい松本理恵っぽい絵作りでもうダメ。

これですこれ。とても『京騒戯画』っぽい。画面がFIXではなく、じんわりと引いていくのが舞台ちっくな雰囲気にしててとても良い。……と、これを書いてる間に2話が放映されてしまったのですが、2話から付いたOPでもこの雰囲気を思わせるシーンが入っていて良いですねー。というかOPもEDも良すぎる……。

2話はキャラを次々テロップ付きで紹介した後、引いた画面で各キャラ紹介時のフレーム上にテロップが残ってる演出が面白かったですねー。

 
ついでに蛇足の自慢話。
放送開始前に行われたロフトプラスワンの原作者登壇イベントにてプレゼントを掛けたジャンケン大会で勝ち残り、見事内藤先生のサインをゲットしてまいりました。

ありがとうございますありがとうございます。冗談半分でジャンケン大会に参加した南社長がうっかり勝ち残ってしまい、ジャンケンに勝った手を挙げたまま後ずさって会場外に消えていく姿もサイコーでした。