『安堂ロイド』わりと楽しみ

スタジオカラー庵野さん、鶴巻さん、前田さんが設定協力という形でキムタクが主演のドラマに参加することが先日電撃発表されました。

日曜劇場『安堂ロイド〜A.I. knows LOVE?〜』|TBSテレビ

公式ホームページには既にあらすじも掲載されています。

だが、そんな彼女の前に、死んだ黎士とそっくりの容姿をした謎の男・ロイドが、机の引き出しの中から現れる──!

こ、これは……“すこしふしぎ”の方のSFなのでしょうか(笑)。
 
ドラマの発表にあたり、世界中から「エヴァは?」という冷たいツッコミの嵐が吹き荒れましたが、個人的にはそこに同調したい気持ちとそうでない気持ちが半々くらい。『エヴァ』の続きの見たさと庵野さん達の新作への期待は似ているようで微妙に違うので、実は両立するのです。なにより庵野さん以上に、鶴巻さんが参加していることにときめきます。『ヱヴァ』も鶴巻色が強いと言われてるとは言え、なんだかんだで『トップ2』以降、鶴巻さん単独での監督作は無いわけですから。
それに鶴巻さんは結構なSF好きですし、『フリクリ』や『トップ2』を見ていても、設定面で観客を驚かそうという意識を持った人だというのが分かります。そんな鶴巻さんが実写ドラマに参加した場合、どんなものができるのか、単純に興味があります。庵野さんは……監督としての参加ならともかく、設定面での協力では、そんなに力を発揮できる気がしないのですよねー。前田さんに関しては分からないですが。
 
ドラマの発表に際し、宣伝でよく目にしたのが、『ケイゾク』と『SPEC』のプロデューサーや脚本家がメインスタッフとして参加しているという文言。それらで監督を務めた堤幸彦さんは『安堂ロイド』に関わってないようですが。
ケイゾク』と『SPEC』は未見でしたが、『ケイゾク』には大月俊倫プロデューサーが関わっていると以前Wikipediaで目にして覚えていたので、庵野さん達に声がかかったのはそこからの繋がりなのかなとまずは思いました。
んで、調べてみるとこれらドラマのプロデューサー植田博樹氏が2011年に鶴巻さんと対談を行ってるじゃありませんか。

鶴巻和哉対談・イラストも掲載 『S P E C公式解体新書』発売中 | 株式会社カラー

SPEC公式解体新書

SPEC公式解体新書

早速こちらの対談を読んでみて分かったのが、今回スタジオカラーの面々が植田氏と接触したことに大月Pは直接関与してないようだということ(笑)。

鶴巻 『ケイゾク』(99年)に、摩砂雪さんと僕がハマってしまって、キングレコード大月俊倫さんに「『ケイゾク』がおもしろいですよ」という話をしていたんですね。そしたらキングレコードからDVDが発売されたので、これは自分たちが推薦したからに違いない!と(笑)。
植田 実はそんなことが(笑)。それはありがとうございました。視聴率もそれほどよくなかったのでソフトメーカーから声がかからなかったところ大月さんに「個人的に欲しいくらいです」という理由で手をあげていただきました。『エヴァ』で儲かっていたんでしょうね(笑)。
(『S P E C公式解体新書』 p.120)

鶴巻さんは95年に放送された『金田一少年の事件簿』の頃から堤監督の画面作りに注目していたようで、対談では堤作品からウルトラシリーズ実相寺監督の演出を連想したことなど、色々語られていました。こうしたやりとりを見ていて、鶴巻さんは元々堤作品に興味を持っていたところ、どこかで植田プロデューサーに接触する機会があり、『SPEC』用の対談が行われた2011年には、両者にある程度の信頼関係ができていたのかなと感じました。例えば、対談には以下のようなやりとりがあります。

鶴巻 あと、こういうキャラクターの配置も好きなんですよねぇ。自分に自信のあるクソ真面目な男がいて、その男から見たら不真面目に見える女がいて、いつもはバカにしてるんだけど、でもその女の方が事件を解決しちゃう。その上、上司は偉そうなこと言うだけで、とってもいい加減……という、この三すくみの関係は僕の大好物です(笑)。
植田 僕と鶴巻さん、年齢も1歳違いで、正座も血液型も同じだけど、手相も多分重なっていると思います。指紋以外はたぶんとても似ている(笑)。
(『S P E C公式解体新書』 p.120)

・・・いきなりマッキーとイチャイチャしすぎだろ!
いけない、取り乱してしまいました。突然イチャイチャしようとするもんだからつい。血液型を知ってるアピールとはこのプロデューサーなかなかやります。
このイチャイチャ感を見るに、鶴巻さんは『安堂ロイド』で結構アイデア出してそうな予感が……。庵野さんと前田さんについては、植田プロデューサーから「庵野さんも呼んできてよ」と言われたマッキーが、どうせならと前田さんも連れてきた、という流れな気がします(ほぼ妄想)。前田さんは『ナディア』の頃からデザイン面で天才的なセンスを発揮していてい、庵野さんや鶴巻さんから非常に信頼が厚いですし。
 
安堂ロイド』放送開始までに何かしら予習したいなと思い、とりあえず先週末に『ケイゾク』と『SPEC』を視聴しました。

TBSオンデマンド見放題100
上記、1050円での見放題コースで視聴しました。『ケイゾク』と『SPEC』のテレビシリーズは含まれていますが、テレビスペシャルと劇場版は入ってません。

他に何を見るべきなのかなー。先ほど紹介した対談では、国内で『SPEC』のようなSFモノのドラマが作られるのは稀だとの説明がありました。『安堂ロイド』もSF要素があるようですが、となるとむしろ海外ドラマをどう参照していて、どのようにそちらと差別化しているかも注目すべきポイントのはず。対談内で鶴巻さんは『LOST』が好きだと言っていましたが、その辺の何か超メジャーな作品を見ておくべきな気がしてます。何にせよ『安堂ロイド』わりと楽しみです。