ピングドラム16話簡易感想+今後使われるARBの楽曲予想(10曲)

今回はやりたい放題やってもエンディング曲ですべて許されてしまう実にずるい構成でしたね!(笑)

13話で折り返し地点を過ぎてからというもの、14話が過去の幾原成分を濃縮させたような回(フェティッシュを感じさせる真っ赤なスポーツカー、旅館でのファビュラス描写、過剰な承認欲求を持つキャラ等)で、それを受けてシリアスになり過ぎることなく強烈なカタルシスを持った15話が放送されました。さて次は一体どうなってしまうのか!・・・と思っていたら、ここでまさかのギャグ満載な回ですよ。
夏芽祖父の人間を「成功/失敗」でしか評価できないものの見方と、それに苦しめられて育った子どもという図式などは、以前幾原監督がインタビューで語っていたような、本作のテーマである「新しい幸せのかたち」を考える上で重要なエピソードなはずなんですよね。上の世代の人たちには正義とされてきたものでも、時代が変わった事により、次の世代の人にとってはそれがかえって束縛になっていたり、という。普通に考えればもっとずっとシリアスな描かれかたになるはずなんですが、そこは流石ピングドラム流。なぜ木馬になんか乗ってるんですかミスタープレジデント!
 
そんなわけで突然ですが、今回の記事は内容についての感想はほどほどにして、今後使われるARBの楽曲の予想をするコーナーにスペースを割きたいと思います。
実は2ヶ月ほど前にARBのアルバムを買いまして、これまでそれを繰り返し聴いていたおかげ、本編に新曲が使われる度に「こういうアレンジで来たか!」と勝手に盛り上がってたりします。僕が買ったアルバムはこの2つ↓

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合わせると42曲あり、そこから気に入った31曲をヘビーローテーションで聴いていたものですから、もはや殆どの曲にも親しみを持ってしまっていて、客観的にどれがキャッチーでどれがそうでないかみたいな事を言えなくなってるのが玉に瑕だったりするのですが・・・。まあその辺仕方ない。どの道初めて聴いたときだって、どの曲ももなんとなくピングドラムっぽくもあり、全然違うようでもあり・・・という感じでしたから。というわけで、どのみち明確なロジックで本編で使われる曲を当てにいくのは難しいわけですし、今回は僕の勘(=好み)でいくつかの曲をピックアップする形でいってみたいと思います。というか本編やEDで使われているARBの曲もぶっちゃけほとんど幾原監督の好みで決まってるはずなので、当てにいくのにはじめからロジックもなにもないのかもしれません。あ・・・いや、でも今週の「イカレちまったぜ!」は「シビレ」繋がりでロジカルな部分もあった・・・かな(笑)

僕がよく聴いていたのは以下の31曲
イカレちまったぜ!/ウィスキー&ウォッカ/ダディーズシューズ/トラブルドキッズ/ユニオンロッカー/AFTER'45/AUTOMATIC MAN GOES/BAD NEWS(黒い予感)/BOYS&GIRLS/Deep Inside/Do It! Boy/HAPPINESS/Heavy Days /HOLIDAY/KAZA-BANA/LOFT23時/LONESOME RIDER/ONE WAY TRIP/OWN MY OWN/ROCK OVER JAPAN/SAY!NO!!/STANDING ON THE STREET/Tokyo Cityは風だらけ/TOKYO OUTSIDER/War Is Over/YELLOW BLOOD/喝!/乾いた花/魂こがして/野良犬/灰色の水曜日
どれも良い曲なんですが、この中から10曲をピックアップしたいと思います。

ARB 10曲ピックアップ


1.ユニオンロッカーARBはワークソング(労働者の歌)が多いバンドで(その点については幾原監督だったか他のスタッフだったかがインタビューで触れていました)、これもワークソングですかね。曲名からして。ただ下で取り上げてる「HOLIDAY」なんかに比べると明るい曲調です。トリプルHに歌って欲しい感じ。というのも、オトナアニメ(→)に載っていた橋本由香利さん(ピングドラムの音楽を担当)へのインタビューに、「なぜピングドラムARBなのか?」という質問に対して、

「(幾原監督が)単に好きだから、みたいですね(笑)。あとは、あの時代のバンドなのに、恋愛の歌詞がひとつもなくて、ラディカルなところも好きだそうです。それを、今の10代の女の子たちが歌って、わけもわからずに「腑抜け野郎ども」みたいなことを言っているのが面白いのではないか、と。

という風に答えているんですね。恐らく「ROCK OVER JAPAN」と同じく、前々回の放送でED曲として流れた「BAD NEWS(黒い予感)」なんかはそれが理由でチョイスされたんだろうなと思うんです。だって「あちこちでクーデターが起こりだす〜♪」ですよ?w とまあ、そんな流れで「ユニオンロッカー」を選んでみました。


2.HOLIDAY:非常にARBっぽい曲で、この曲もまさしくワークソングですね。歌詞から溢れんばかりの悲壮感で凄いです。イントロなんかものすごく好きなんですが、これが本編で流れるとしたら両親にまつわる相当ハードな場面とかになりそう。


3.Do It! Boy:これも多分にワークソングっぽいんですが、歌詞内では「まだ前途のある比較的若い自分」と、「現実に疲れて見切りをつけてるオッチャン」という二人の登場人物がいて・・・というワンクッションがあるので、わりと明るい感じの歌。オッチャンが「若いんだからやりたい放題やりなよ」みたいな事を言うんですが、そういった前向きさというのはピングで最終的にたどり着きそうなところだと思っているんで、この曲をチョイスしてみたわけです。


4.喝!:かなりハードボイルドな曲ですね。「今日もどっかの阿呆がビルから飛び降りちまったぜ」という出だしの歌詞からして強烈で、個人的には「どっかの阿呆」という顔の見えるようで見えない没個性な感じがピング劇中のモブとかぶる気がしてます。お気に入りな曲です。CDに収録されているバージョンだとサビの部分がコーラスになっていたり、ピアノの音色が入っていたりして、ブルースっぽい感じなので、ライブ版とは受ける印象がだいぶ違ったりします。


5.Tokyo Cityは風だらけ:「TokyoCityは風だらけ TokyoCityは風だらけ TokyoCityは風だらけ 今日もだれか飛ばされて(イェイ!) しまった!」の歌詞に合わせて「風で吹き飛ばされるピクトグラムたち」のミュージックビデオ風な映像を本編で流してくれると僕がとても喜びます!・・・という単純な理由で選びました!イェイ!


6.War Is OverARBはポリティカルな歌詞も多いんですが、そんな中でもこれはポップで反戦歌っぽい感じ。「ROCK OVER JAPAN」や「BAD NEWS」に続けて、あえてこんなのをトリプルHに歌わせてニヤニヤする幾原監督・・・ありえそうじゃないですか?(笑)


7.ONE WAY TRIP:ピングは戻れない道を突き進んでるようなキャラクターばかり出てくるので、歌詞がマッチするのではないかと思いまして。


8.AFTER’45:曲中の歌詞には「1995」ならぬ「1945」や「1985」という年号が出てきます。元々ARBのボーカル石橋凌さんが故・松田優作と出会った事を歌詞に込めていたりするらしいのですが、ピングドラムと合わせて考えると、そこにまた「運命」みたいなものも感じられる気がします。調べてみると石橋さんにとって本当に大切な曲のようなので、これをアニメに使用するとしたら相当重要な場面で使う事になるのではないかと思います。


9.OWE MY OWN:ヒマリのテーマソングとして一押し。学校に行くこと、アイドルになる夢、社会復帰への希望がきっとどかでくすぶっているヒマリちゃんですが、ぜひ以下の歌詞のようにたくましく前向きに生きれるようになってほしい。

OWE MY OWN 思い出に生きるより
OWE MY OWN かすかな光追いかけるだけ
OWE MY OWN 机に刻み込んだ
OWE MY OWN落書きのまま明日に向かう
OWE MY OWN はいあがるチャンスを
OWE MY OWN ベッドの中で今夜も祈る
OWN MY OWN 花園に背を向けて
OWN MY OWN 前に倒れてくちはてるまで


10.Happiness:これは初めて聴いた瞬間にピングの最終局面で流れてほしいと思った曲。歌詞が未来への希望溢れる内容になっています。幾原監督には近年の社会の流れを総括し、次の時代への架け橋を作ろうという大きな目標があるようで、僕としてはやはり未来に対して前向きな気持ちにさせてくれるようなラストを期待してるので。

そんなわけで10曲ピックアップでした。ARBのアルバムはがっつり聴き応えがあったのでオススメですよ。ちなみにこのアルバム(→Amazon CAPTCHA)昨日までは新品の在庫が残り5枚だったのが今では残り2枚に減っていました。欲しくなったという人はお早めに。売り切れたら収録内容がわりとかぶっているこっちのアルバム(→Amazon CAPTCHA)を買っても良いと思いますけどね。