『まどか』叛逆の物語 感想

観てきました。面白かったですねー!

僕が行ってきた新宿バルトナインではメインキャストのサイン入りポスターが展示されてました。
過去何度か書いてると思いますが、僕は熱心な『まどか』ファンではありません。同時期に放送されていた『フラクタル』や『放浪息子』、『スタドラ』なんかの方がずっと思い入れもある。しかし『まどか』が超面白い作品であることは明らかだし、超面白い作品を観ないわけにいかないのは自然の摂理。なのでバルトナインの0時上映会に行って……くるつもりでしたが、気がついたらその回のチケットは既に売り切れていて、仕方なく午前4時40分の回を観てきました。午前4時って……。帰ってきたら精魂尽き果ててたので、その日放送された『キルラキル』も観ずにそのまま寝たよ!
 
上映開始前はロビーで0時の最速上映に入退場するお客さんを眺めたり、近くのお店で時間を潰したり。
それにしても最速上映前後、付近のマクドナルドで待ち時間を潰すのは危険。0時回上映終了後は明らかにまどかオーラを携えた人たちがお店に入ってきて、案の定興奮冷めやらぬ感じで声高に感想を語りだす!ネタバレの恐怖!僕は事前対策として、最速上映が終わる時刻にはイヤホンを装着し、外界をほとんどシャットアウトしていたので実害ありませんでしたが。
 
以下本編感想。ネタバレもしてる。
 
 
 
とにかく前半部分がひたすら楽しかったのと、オチが凄くきもちよかった。
『まどか』のテレビ版って凄く禁欲的なイメージがありました。楽しそうに見えるシーンも、あとで必ず揺り戻しがある気がして、陰鬱な気持ちを心の隅に抱え続けて観るのはしんどいなあと、いつも思っていました。しかし劇場版の前半は驚くほどカラっとした作りになっていて、素直に楽しく見ることができました。
女の子が心を病んでも“魔女”にはならず、“ナイトメア”として、一夜の内に悩みが解決してしまう。解決方法も血で血で洗うバトルではなく、メルヘンアクションとフルーツバスケット的なごっこ遊び。『まどか』を観ていて、はじめて映像的な快楽にストレートに浸れた気がします。特に変身シーン!あんなに気持ちのいい変身シーン久々に見ました。いや、久々にというか、あんな変身シーン見たこと無い(笑)。初っ端のマミさんの変身シーンから心を掴まれました。
映像的には冒頭から凄くて、影絵少女がバレエの動きで壁に映しだされるシーンは『ウテナ』と『天使のたまご』合体させた闇鍋感が凄まじかったです。えらい空間に迷いこんでしまったなと。『エヴァ』『ウテナ』『うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー』等、過去作からモチーフを拝借してきてる箇所はいくつもありましたね。露骨な引用もありましたが、どれも『まどか』風にアレンジされていて、作品に溶け込んでる感じがして良かったです。
 
終盤のほむほむの「少女→魔法少女→魔女→悪魔」というパワーアッププロセスは、超サイヤ人を超えた超サイヤ人をさらに超えた超サイヤ人!って感じで、虚淵さんは天才だと思いました。特に終盤は頭の良い『ブリーチ』を見ている感覚ですね。うきうきします。
魔法少女でいられなくなった女の子が濁って魔女になってしまうのは『ウテナ』とかから脈々と続くモチーフですが、「魔“女”」から「悪魔」になるというのは、ジェンダー的な縛りを超えて、より純粋な欲望を満たそうとしてる感じがして良いですね。パワーアップしてる感じが『ブリーチ』的カタルシス
それから、悪魔化して巨大化したほむほむがキュウべぇを人差し指でぐりぐりしてる所は最高でした。キュウべぇの心を許せない感じがテレビ版の頃だとどうも苦手でしたが、キュウべぇを超えた神(まどか)と同格の存在となったほむほむがぐりぐりするとキュウべぇ可愛いよキュウべぇ
 
全体の密度がえらいことになっているので今日明日にでも見返したいという感じではありませんが、上映期間中にもう一回くらいは観にいきたいですね。これまでの『まどか』シリーズで一番お気に入りな作品です。