こっそりピングドラム : 越阪部ワタルさんゲスト回

 予告しておきながらアップが随分遅れました、先々週のこっそりピングドラムのメモです。ゲストはピングドラムのデザイン関連で幅広く活躍されている越阪部ワタルさん。メモと言いつつ、この回は以前色彩設定の辻田さんがゲストだった回と同じく大変面白かったので、いつもに比べれば忠実に文字起こししてる方かも。しかしやはりその場その場のテンションで忠実度合いが上下しまくっていますので、第三者のいい加減な文字起こしである事を念頭に置きつつお読みくださいませ〜。
 

岩崎愛 ロゴのデザインとかをされてるんですよね?
 
越阪部ワタル そうですね、ロゴとか。本編のオープニングでは「アイコンデザイン」ってなってると思うんですけど、一応本編の中のロゴだとか、アイコンだとか。あとは小道具に張り込んでます。先週の放送だったら「グッバイ運送」っていうトラックの所とか。あと、カンバとかが使ってるスマートフォンのインターフェースとか。そういう細かいものとか、モブのピクトグラムや、駅でガコーンと出てくる「◯◯駅」って書いてあるのとか。ああいうのをやってますね。あとはWebとか販促物を適当に。今はBDのパッケージをやってます。
 大きく分けて本編のほうと、宣伝のほうで立ち居地が違うんですが。本編では幾原さんをはじめとするその時々の演出さんが何を発注するかを決めて、助監督や幾原さんを通して発注が来ます。「こういうのを作ってください」と。それも真面目な文章で面白いんですけど、「大変申し訳ないのですが、『グッバイ運送』の下に『いい日旅立ち』といれてください」。
 
一同 (笑) 
 
越阪部 そういうのが夜中に来るので、「あ、やらなきゃ」って。
 そんな仕事が本編の方で、本編はどっちかって言うと頼まれたものを作ってくっていう立ち居地で。Webだとかそれ以外の販促関係やBDは半分くらいは自分から提案して。Webとかモノを売るほうに関してはフリーダムにやってます。幾原さんも面白がってくれるので、幾原さんさえよければあとは何をやってもいいだろうみたいな空気ができつつあるので調子にのってきてます(笑)。
 
小泉 先行上映会でキングレコードの広報の方が最終的にはホームページが60種類くらいになるっておっしゃっていたんですけど、それも全部越阪部さんが作るんですか?
 
越阪部 今だから言えるんですけど、上映会前日にキングさんと打ち合わせして、あのときにようやく決めました。五日くらい前からディザーサイトとプレサイトという進み方で、「本番どうするの?」という所でなんとなく保留されていて。で、ちょっと威勢良く「最終的に50個くらいあったら面白いじゃないですか!」って言ったんですよ。言ったら、次の日に横浜の上映会行った人たちから「壁紙が50種類くらいになるらしい」みたいな書き込みをみて、「やべえな、本当にやるのか」と思って。だからこれからはそういうよけいな事は言わないようにしようかと(笑)。
 
小泉 他にもCMなんかも越阪部さんが?
 
越阪部 そうですそうです。番宣のCMと、アイッキャッチ、サブタイトル、OPの背景とかやらせてもらってます。番宣は殆どむちゃぶりたいなものだったんで。
 
小泉 むちゃぶり?(笑)
 
越阪部 元々プランが結構ダーっとあってというよりは、幾原さんに「頼むよ^^(肩をポンポン叩くジェスチャー)」って(笑)。「やれる?」みたいな感じで、「たぶん・・・」→「じゃあおねがいね!」っていう凄い軽い感じで決まって。アイキャッチも軽い感じで。「頼もうと思ったら頼める?」と聞かれたときに、そのとき初対面だったので調子にのって「なんでもバッチリですよ!」って言ったら本当にドンドン来たっていう(笑)。
 
小泉 個人的に気になってたんですが、この「こっそりピングドラム」のロゴも越阪部さんが描いたんですか?
 
越阪部 そうですそうです。この芸術的な鉛筆書きのペンギンマークも、手書きの「こっそりピングドラム」っていうロゴも。ラフのペンギンも8回くらい書き直して。意外と描けないっていう、描いてみたら難しかった。
 あれも二日前くらいに、幾原さんに「タイトルまわりやってくれない?ゆるい感じでいいからさ」って言われて。「こっそりピングドラム」ってタイトルもそのとき決めたんですよ。幾原さんが「○○ピングドラム」が良いみたいに言っていて。二人でダラダラ喋って、結局「こっそり」に。
 
岩崎 ペンギンのマークとかは、結構何回か変わったりしたんですか?
 
越阪部 ノーマルペンギンに関しては原案があった。半分黒に塗られてる方は現場で試行錯誤してなんとかならないかという所で仕事を引き受けた。イワトビペンギンのマークは完全にゼロから。
 
岩崎 じゃあ、あのマークも意味を知っていてデザインしてるんですか?
 
越阪部 はじめデザインする時はあんまり説明されずに作ってた。はじめ幾原さんに声かけられたときもタイトルも知らなくて、地上波なのかも知らなくて。そういう発注だったんで。
 
小泉 越阪部と幾原さんの出会いはどういう感じだったんですかね。なんで関わるようになったのかというか。
 
越阪部 ミーハーな感じで幾原さんの作品が好きで、追っかけみたいなもんですよね。要するに情報を追ってて、「Twitterやってる!」といったら「フォローだ!」つって。幾原さんは結構、Twitterとかやってる方はわかると思うんですが、面白そうなコメントは結構パッと返しいてくれるじゃないですか。僕のときも何回か返してくれたりして、ファンサービスと思って見ていて。僕は作品をWebのほうに乗っけてるんで、それとかも「いいね」って言ってくれて。で、ある日突然連絡が来て、はじめはパッケージを頼みたいんだけどと。僕はパッケージの仕事が多いんで。DVDとかBDとか、グッズ関係のパッケージを頼みたいんだけどどうだろうってメールがきて。僕は元々ファンなんで、それはもう「ワンワンワン」って尻尾振って是非是非お願いしますみたいな感じで(笑)。連絡をしたら「電話していい?」となって。電話がきたら、「頼みたいのはそういうことなんだけどそうじゃなくてねー」、と、本編に関しても頼みたい、となって。その時は本当になんの情報もなしで、「幾原さんが電話の向こうにいる!」みたいな感じになってるときに、「モブをねー、ピクトにしたくってねー」みたいな事を言い出して、何を言ってんだかこの人はって感じで(笑)。で、「中刷りもねー、モブが・・・」とかよくわかんないこと言ってて、「ちょっと考えてほしい」って言われて。で、そんなのって完全に白昼夢じゃないですか(笑)。いきなり幾原さんが電話かけてきて理解超えることを言ってるんで、しばらくはもう某然としちゃって、なんだったんだ今のはと思って。そしたら翌々日くらいに分厚い封筒がスタジオのほうから届いて。シナリオ、設定がどっさり入ってて、始めて「何話もあるんだ」と(笑)。別にパッケージをやってと言われたんで、単発のOVAとかだとおもってたんで。どうやら何話もあるなと。そのときシナリオ10話ぶんくらいあって、全然10話くらいじゃ終わらない感じだったんで。もしやまた一年くらいやんのか!と思って。それから直接お会いして、実際に頼まれて。始めはよくわからないなか出してたんですけど、段々色々コンテとか教えてもらったりとか、やり方とかをつかんで行って。「これならなんとかやっていけそうだ」って思ったらドンドン発注が発注が発注が発注がってなって(笑)。で、さっきの番宣とかに繋がってる感じですね。
 番宣も本当にはじめは二本くらいの予定で、よくあるモーションロゴみたいに「輪るピングドラム」って出てきてドーン!みたいな。ああいう感じって言われてて、ああそれは楽勝だろって思ってて。で、20秒の尺で。で、台詞とかの素材をもらって実際に動かしてみたら尺が全然埋まらなくって。ロゴなんか動かしてみても三秒くらいにしかなんないんですよ、ロゴなんて。残りの17秒どうしようかなってなって。それからちょっといろいろやってみようってなって。
 
小泉 「1」はシンプルじゃないですか。で、「2」凄くでやられたんです。


 
越阪部 ありがとうございます。2は本当にもうはじめから狙ってやると決めていて。はじめは「2」までという話だったので、せっかく貰ったんでバッキバキにやってやろうと。で、1を凄いシンプルにしたってのもあるし。あとは「2」は音楽がハマったというか。あのテンポでこのテーマだったらここまでぶっ壊して大丈夫だろうってのがあったし。
 
小泉 録画してみたんですけど、一瞬じゃ理解しきれないくらいの情報量があるじゃないですか。ピクトグラムの頭が一瞬かしげたりとか、ピクトグラムが一瞬にして逆さになるとか。何回も見直さないとちゃんと拾えないというか。それって結構「4」でも共通してることですよね。

 
越阪部 「2」と音楽も共通してるのもあったんですけど。「2」を作る頃、なんだ番宣CM作るの楽しいじゃないかってなってきてたんで、やりたいぞこれってなってたんで。今でこそ言えますけど、4もそうですけど、暗い雰囲気にしてても、本編がこういう感じなんで、大丈夫かなっていうのがあったんですよね。本当に頭から最後まで暗い話だったら、暗い番宣やってもしょうがないし。色彩も1話や2話とか凄い強烈で綺麗なんで、なるべくそれまでは色数は抑えといて、始まったらドカンと溜まってた分を明けた感じになればいいのかなと。
 
小泉 しかしはじめTwitterから始まったんですね。
 
越阪部 そうですね。それこそ、夢のある話です。
 
小泉 自分達も劇団をやっていて、そのホームページをTwitterにあげていたんですね。でそれをみた幾原さんが「このコたちフリーなの?じゃあオーディションに呼んで」って、その結果来たのがこやつ(岩崎)なんですよ。
 
岩崎 ああ、そうだったんですか。ってなんで私が知らないんだって感じっですが(笑)。
 
小泉 そのときはまだ事務所に入ってなかったイクタくんってのがいるんですけど、そのコがガングロちゃんやってます。
 
越阪部 星野先生お気に入りの。
 
岩崎 ぬいぐるみを作って下さったなすかさんもTwitterでしたね。
 
越阪部 あれは公開で募集してましたもんね。「ぬいぐるみ職人を探しています」みたいな。
 
岩崎 本を書いてくれた高橋啓さんはTwitterじゃないんでしたっけ?街で声かけられたとか(以前のこっそりピングドラムで高橋さんから出た冗談)言って、真実が分からないまま終わったんで。
 
小泉 いつか、ピングドラムが終わってから語ってもらいましょうよ。
 
岩崎 そこまでひっぱるの!?
 
越阪部 あ、そうだ。このユーストリームって基本的にデマを喋って逃げるっていう番組だったんですよね元々。もっと考えてくればよかった。
 
小泉 違います!実は前回あたりからインタビュー形式の格調高い番組に変わったんで!
 
越阪部 そうですよね。前回辻田さんの話が凄い面白くて。あまり話たことなっかったから、前回も始まる前部屋の外で勝手にインタビューしてて(笑)。辻田さんに色々教えてください!と。帰りも駅のギリギリまで話して。アカデミックな回でしたね。で、次(に出演するの)は俺かと(笑)。
 
小泉 大丈夫ですよ!アカデミックな感じになってます。
 
越阪部 マジですか?無茶ぶりされたことの愚痴ばかりになってませんか?監督大好きですよ!(笑)
 
小泉 そうですね、今回越阪部さんを呼ぶにあたってTwitterとかでも呟きをみさせて頂いたりしたんですけど。ウテナ大好きで一晩中でも語れるみたいな事も書いてありましたが。
 
越阪部 そうですね。こないだキャラクターデザインの西位(輝実)さんにお会いしたときの帰りにですね、池田プロデューサーと終電まで二人で飲んでたんですけど、ずーっとウテナピングドラムの話をしてたっていう。
 
小泉 うらやましい。
 
越阪部 まあでも別にピングドラム単品で楽しめるんで、あんまりウテナ臭はないのかなって気はしますね。
 
小泉 でもウテナ好きというとこから始まって、よもや、まさか、本当に作品を一緒に作るということになるとは。
 
越阪部 そうですね。幾原さんも何年も地下に潜ってたじゃないですか(笑)。だからいつか機会があったら、僕もプロになってたんで、次になんかあったら何かで噛めないかなって思ってはいたんですよね。なので、今回(幾原さんの)ブログ新しいのを作ってますっていうのを聞いた時からずーっと虎視眈々と狙ってたんですけど(笑)。中でやって凄い楽しめるところもあれば、やっぱりお客さんというのは凄い贅沢なんで、何の情報も無い中で全部新鮮な気持ちで見れるんで、お客さんはお客さんで凄い贅沢だと思いますね、中に入ってみると。
 
岩崎 全然別の話になっちゃうんですけど、スターティングガイドにもロゴのシールがついてるじゃないですか。あれにまだ作品中に出てないロゴとかが結構出てるんですが。
 
越阪部 なんかありましたっけまだ。
 
岩崎 私がすごい覚えてるのは「非常口」のシールで。
 
越阪部 あれは2話で出ましたよね。
 
岩崎 2話で出てましたっけ?
 
越阪部 下着の2話の非常口で出てますね。
 
岩崎 そうだあれだ。あれ一見非常口なんですけど、ちょっとこう、逆で。
 
越阪部 「よう!(挨拶のポーズ)」ってやってる(笑)。
 
岩崎 そう「よう!」ってやってる。
 
越阪部 もう一個ハードルを飛び越えるみたいにして窓から逃げてく非常口のがあって、多分スターティングの中に載ってると思うんですけど。考えてどっちがいいですかって出したら「よう!」ってなったんです。
 
岩崎 あれ凄い面白いなとおもって。あれは反転させた感じなんですか?
 
越阪部 どうなんだろうな。基本的に元のピクトグラム自体の体格も違うと思います。結構中でピクトを中(本編)でも使ってるんですけど、モブのピクトグラムと電車の中吊りの所のピクトグラムも等身違うし、全部その辺はシーンによってというか。カンバもショウマも凄いスマートなんで、モブはそれに合わせなきゃいけなくって。結構チェックは何回も何回もダメだしされて、ずーっとモブばっか作ってましたよ一時期。
(コメントを見ながら)クリスタルワールドのアイコンもやらせてもらってますね。
 
小泉 あれ凄い複雑に同時に動いてますよね。
 
越阪部 まあ動かしてんのは撮影さんのほうなんですけどね。僕は全然、色も付けずに黒の単品でアイコンをダーって作って、使えるのがあったら適当にっていう感じで。渡したら全部入れてくれて。
 
Twitterのコメント欄からの質問:好きなキャラクターは?
 
越阪部 難しいですね。結構知っちゃってるんで感情移入し辛いというのが。まあでも、女性キャラですね僕は。流石に男キャラが好きですって言うと・・・。
 
岩崎 そんな所を気をつけなくても!(笑)
 
小泉 それは、別に性的に見なくてもいいんじゃないですか(笑)。
 
越阪部 いや、でも女の子が媚びてなくて可愛いってのが今回結構特徴だと思うんですよ。いわゆるちょっとこう、男に媚びた感じのキャラがいないような気がしますね。それは結構魅力的かなって気はしますね。
 
岩崎 越阪部さんが気に入ってるアイコンとかってありますか。
 
越阪部 なんでしょうね。オープニングで使ってるモノグラムパターンは結構どれがって事じゃなくて、まとまりとして好きですね。子供っぽくなりすぎない感じがして良いかなって思って。
 
岩崎 オープニングのパタパタパタパタってペンギンがなるところが凄い好きなんですよ。
 
越阪部 あれも何回かなおしてうまくいかなくって、撮影さん、サンジゲンさんのほうで結構苦労してやってくれて。
 
小泉 出会ってから監督の印象は変わりましたか?
 
越阪部 うーん、変わりましたね。やっぱりあの、ウテナ時代の監督のカットってこう(「キリッ」っとポーズをとりながら)、構えているというか、「フフーン」みたいな感じの・・・。僕が、長谷川眞也さんの絵が凄い格好良くて持ってたアニメ雑誌で、幾原監督がさいとうちほ先生と写っていて、なんかスポーツカーを運転しているグラビアがあって、そういうイメージだったんで。そういう意味では変わりましたね。でも実物の方のほうが懐が広いというか、もっと孤高の天才肌に思われがちがちですけど、すごい親しみやすいし、お茶目だし。厳しい所は厳しい所んですけど、やりたいようにできるところはやりたいようにできるし。だからすごく良いというか、前に思っていたよりも良い印象でしたね。
 
小泉 デザインに統一感を感じるんですが、コンセプトはあったりしますか?
 
越阪部 コンセプトですか。この作品に関してはやっぱり幾原さんの作品なんで、幾原さんだったり中村章子さんだったりの、そこらへんのまとめ上げる世界の中になるべく入っていって、壊さないようにしながらちょっと拡張する感じるというか。そういうところでまとめていってるんで、自分で「こうしたい」というよりは、どっちかっていうと作品の雰囲気を重視してますね。
 
小泉 それはやっぱり辻田さんと通じる所があるんでしょうか
 
越阪部 そうですね、それはもう、みんなそうだと思いますね。やっぱりチームプレイというか、お互いがお互いを立てながら、ちゃんと調和してるっていう感じはあると思いますね。
 
小泉 僕から見てると、放送見ていてそれが凄い、「高み」に登っているような結果になっているような感じがするんですけど。
 タイトルロゴとかフォントに関するこだわりはありますか?
 
越阪部 それは凄いあるんですけど、あるんですけど今回は、結構はじめにバキバキに自分好みの感じのロゴを作っていて、「これでいきたいです!」ってドーンと出したことがあって、で「はいダメ」ってなって。なんか「格好良すぎてダメ」って言われて。で、なんだろうなと思って、ちょっとダサいくらいが良いとか、ミステリアスな感じが良いとか色々監督からイメージを聞いて、ある程度縛りができた中で作ったんですね。だからこだわりというのは、幾原さんの持ってるゴシック体のあの感じを活かすっていうのは。幾原さん今回「ゴシック体で」っていうのは結構言ってて。どうせゴシックで行くんだったら「駅の名前はあんな感じで」、「ロゴはあんな感じで」とか。まあちょっとその辺はうまい感じに。最後に出てくるサブタイのフォントにもそうなんですけど、アイキャッチでロゴが出てきて、本編で駅表のプレートが出てきて、で最後に文字で締めるっていう。その辺のリズムみたいなのは考えてますね。
 後は細かい小道具とかには細かいフォントにの指定は凄いしてますね。「メール画面ではこれ使ってほしい」とか「あれのときはこうして欲しい」とか、もう全部その辺は。
 
小泉 深いですねやっぱり、僕たちって途中生産物に…
 
越阪部 いやぁ、真面目な話になっちゃった(笑)。
 
岩崎 いいんですよ真面目に話しても(笑)。
 
越阪部 すみません続けましょう(笑)。
 
小泉 (笑)。僕たちって声あてるだけなんで、途中生産物なんで、完成体を見たときにやっぱり気づかされることが結構あって。5話なんかとくにお父さん、剣山の背中のね、あれなんかも完成品見て始めて気がついて。(カンバ達の父親の背中にあったペンギンマークの事)
 
越阪部 あ、そうなんですか。
 
岩崎 そうですね、やってるときは全然書かれていなかった。
 
越阪部 でもそれは結構僕らも意図しないところに使われていたりするんで、ロゴとかマークとかっていうのは。違うところで使うために出したのに、全然違うところで使われていたりとか。そういうのもあるんで、その辺は結構僕も知らなかったりするのはありますね。
 
Twitterコメント:ショウマのケータイの待ち受け画面もですか?
 
越阪部 待ち受けっていうか、多分2話かなんかで時計を見るシーンがあって、それですね、多分。それはやりましたね。高倉兄弟のケータイの文字とかは、数字とかは全部ゼロからデザインしてて。あれもはじめ「iPhoneっぽい感じで」って発注があって、iPhoneっぽいものをすっごい研究して、iPhoneっぽいのを凄い頑張って作ったら、「iPhoneじゃねーか!」って言われて(笑)。
 
小泉 まんまになっちゃった(笑)。
 
越阪部 まんまになっちゃって(笑)。「ダメだね」って言われて。そのボツになったiPhoneっぽいのが、今まで作ったパーツの中で一番時間かかってる(笑)。なんかやっぱ古くなっちゃうんで、iPhoneは。だから何の世界にも属さないようなものにしたいっていうのがやっぱあって、でそこから「チクショー!」と思ってすぐ作って。で、あと苹果のケータイも作って。あと苹果のケータイのストラップとか良くできてんじゃないですか。だから中も手を抜いちゃうと勿体無いかなというのがあって。だからコンセプトデザインとかされてる方が凄いレベルの高いものを作ってるんで、そこに合わせるためにはあんまり手が抜けないなっていうのはありますね。
 (iPhoneじゃねーか!みたいな事は)よくあるんですよ。こないだちょっとマグカップのデザインをやって、「スタバっぽい感じで」って言われたのでスタバっぽくやったら「スタバじゃねーか!」みたいな(笑)。「何々っぽい」っていうお題があるとやりたくなっちゃうんですよ。しかもスタバの星っぽいところはヒトデになってるんですよちゃんと!(この話で出ているマグカップではないかもしれませんが、幾原監督がtwitterにマグカップの写真を上げていました→マグカップを @lvdctv さんに頂きました。感激(・⊝・) #penguindrum #生存戦略 |幾原邦彦ikuhara_kunihikoの投稿画像
 (Twitterの書き込みを見ながら)「武富士っぽい」って(笑)。そう、でもあれは僕じゃないけど。パロディが多分、凄い好きなんですよね、幾原さん。そういうのは凄い好きなんだけど、やりすぎもダメなんですよ。まあでも、こないだの「グッバイ運送」なんかも凄い「佐川っぽく」しようとしたら本当に佐川っぽくなっちゃって(笑)。
 
小泉 飛脚のやつ?
 
越阪部 あ、違いますね。今の佐川さんってあの、ピクトグラムみたいなのが「持ち逃げ!」みたいにして走ってるように見えるんですよ。荷物持って走ってる柄なんだけど。はじめはどうせピクトなんだからやろうと思ったら、また「佐川じゃねーか!」って言われそうだったのでこれやめとこうと思って。ちょっとそれ成長ですね僕の中で(笑)。流石にもう二回やたんで。
 
小泉Twitterの書き込みを見ながら)でもあのマグカップ欲しいって人も・・・。
 
越阪部 流石にあれ売ったら訴えられるんじゃないですか?(笑)
僕はもう、(公式グッズが)待ちきれなくて勝手に作ってるんで。でも手芸なんかやってる方でなんか作ってたりするじゃないですか。ペーパークラフトだったり。ああいうのも全部見てて、別にスタッフがやってもいいんじゃないかと思って。
 
小泉 (笑)
 
越阪部 流石にそれで金儲けはできませんけど、ちょっと現場が明るくなったら良いかなくらいの感じで作ってますね。基本一人で事務所で作業してるんで、あんまり皆さんと会う機会もないので、会う時にはお土産を持っていきたいなとか、そんな感じですね。
 りんごちゃんのハンコと日記のデザインも作りました。あとは何やったかな。結構やったんですよ、細か〜いところで。多分まだ前半というか序盤なんであれですけど、すごく沢山作った話もあるし。
 (Twitter書き込み見ながら)ペンギンクッションのダンボールはマークの所だけですね。
 
小泉 スカンクの背中にもついてましたね。
 
越阪部 スカンクは僕の所に資料が来なかったんでビックリしたんです。泥棒猫とかは資料に入ってたんですけど。
 
岩崎 校章のデザインも担当されてるんですかね?
 
越阪部 校章は星野先生かな。が、描いたのをリシェイプしたって感じですね。
 
小泉 じゃあそろそろ最後に見てくれている人にメッセージを。
 
越阪部 まず、見てくれてありがとうございますっていう感じなんですけれども。まだ本当に序盤なんで、これからどんどん面白くなってくると思います。結構僕ははじめ見たときはバンクとかもなくて、シナリオで読んでただけだったんですけど、それでも凄い面白いというか、ゾワゾワッっと来る所が結構この先いくつかあるんで。それは期待していて良いんじゃないでしょうか。あとは細かいデザイン、「あ!あいつがやったんだ」って言って、お疲れ様的な感情をちょっと僕に向けてくれたら嬉しいです!
 
一同 (笑)
 
越阪部 なんてね。・・・って感じですね。あとモブに関しては、言ってもいいのかな。今は結構普通のモブなんですけど、だんだん変化が出てきたり。
 
岩崎・小泉 え!?
 
小泉 僕らが「え!?」って言っちゃった。
 さてそろそろ時間が。僕、個人的にはまた越阪部さんに来ていただきたいなと思ってまして。なぜなら越阪部さん僕と同い年なんですよ。
 
そうなんですよ。同い年なんですよ。
 
小泉 しかも、劇団をやってた事があるんですよ。
 
越阪部 もう、最後にそういうのを(笑)。
 
小泉 そういう話を今回聞こうと思ったんですけど・・・。
 
越阪部 すみません時間になっちゃったんで!
 
小泉 面白い話を一個、漏れ聞いてはいるんですけど。次回に。
 
越阪部 それはやめてよ!それは関係ないでしょもう!(笑)
 
小泉 (笑)。いいじゃないですか、俺が個人的に聞きたいんですから!