ヤマカン×AZUMA HITOMI対談

ヤマカン×AZUMA HITOMI(フラクタルOP歌ってる人)の対談発見。
http://www.hotexpress.co.jp/interview/110307_azumahitomi/index.html#0
個人的に面白かった所を抜粋。

−−「フラクタル」を制作する上で、業界やファンも含めた“アニメ”の形を、もう一度作り直したいという想いもありましたか?
 
山本寛:ん〜……、ちょっと話はズレるのかもしれないんですけど、『ハリネズミ』の歌詞を読んで「なるほどね」って思ったこと。要は“ヤマアラシのジレンマ”(※2)ですよね。これもわざとなんだろうなって思ったんですけど、かつて「新世紀エヴァンゲリオン」が、第4話のサブタイトルで“Hedgehog's Dilemma”と意図的に誤訳しているんです。そのHedgehog=ハリネズミを、タイトルとして採用して……
 
AZUMA HITOMI:私、それ知りませんでした……。エヴァはまだ1話しか観てなくて……。
 
山本寛:わお!(笑)
 
(一同笑)
 
山本寛:まあ、その誤訳のために、オタク界隈から“ハリネズミのジレンマ”とも言われるようになったんです。僕もエヴァ世代なので、その体験を経て、アニメを観たり捉え直したりした。そういった意味でも、この曲は僕の気持ちを代弁してくれるのではないか、と思ったんです。
エヴァンゲリオン」という作品は、アニメに革命を起こす、時代の先を行ってやる、くらいの意気込みで出てきた作品なんです。と同時に、庵野秀明監督の私小説といってもいいのかな。本音をぶちまけた瞬間だったと思うんです。
何故、「フラクタル」で引退宣言をするに到ったかというと、アニメに対するフラストレーション、ストレスを感じておりまして。正直しんどいと思いましたし、「このまま作り続けていいのか?」 「洗いざらいぶちまけた方がいいんじゃないのか!?」って時に、頭の片隅にエヴァを意識しつつ準備を続けていたら、最後に楽曲でドーンッ! と『ハリネズミ』(笑)。正になタイトルがきたので、見事に呼応しているなって。
 
誤解の多い作品だと思うんですけど、僕の本音の部分。根底に流れているアニメに対する姿勢や、アニメ制作における気分を、衒うことなく出したいと思った時、こういう楽曲として近寄ってきてくれた。コラボレートすることができたというのは、とても嬉しいですね。

http://www.hotexpress.co.jp/interview/110307_azumahitomi/page02.html#0

 
ヤマカンのエヴァオタ・キモオタっぷりが清清しい。物凄いシンパシーを感じる。
最初にOPの曲名「ハリネズミ」だと聞いて確かに自分も「おっ!」っとなったのでw。曲を作った方は無意識だったみたいですが、やはりヤマカンは意図的にやってたのね。
 

−−私はテレビ版のエヴァを観て、“現実に帰ろう”というメッセージを感じ取りました。その点においては、「フラクタル」にも共通するテーマがあるのかな、と。
 
山本寛:いや、それをやっちゃうと二番煎じに終わってしまうんです。だから、エヴァの二番煎じでもナディアの二番煎じでもラピュタの二番煎じでもない(※3)んですよ(苦笑)。それを前提に観てしまうと、めちゃくちゃ面白くない! そこは取っ払って観て欲しいなって思うんですよ。
意識したのは、あくまで作品に対する姿勢ですね。エンターテイメント性を意識しながら、自分の胸の内を曝け出す。そういう勝負の仕方を参考にしているだけで、語っている内容は全然違うと思います。
 
僕のこの世界、この人間関係において、人を信じるにはどうすればいいのか。アニメっていうのはどうあるべきなのかを、考え悩み迷い抜いた足跡を残す。僕に残された道は、それしかないと思うんです。だからクレインはフラフラするし、周囲を取り巻くヒロインやキャラクターは、訳が分からない。ディスコミュニケーションの羅列なんです。それが僕にとってアニメ業界、いや、アニメに携った十数年のリアリティだった。
そういった不信、迷い、正否も含めて込めているから、非ッ常〜に分かり難いんだと(笑)。エンターテイメント失格だと言われれば、「はいそうですサーセン」としか応えられないんですけど、本当に正直な表現を目指す。それが今、アニメに対して僕ができることだと思ったんです。

 
ここはねー、うーん。正直個人的に『フラクタル』は思っていたほど面白くなってない。つまらないわけではないんだけど、個人的には全然ハードルに届いていないし、この後も届かなそうかな〜と思っているところ。
そう思っている所に「(エヴァを)意識したのは、あくまで作品に対する姿勢ですね。エンターテイメント性を意識しながら、自分の胸の内を曝け出す。そういう勝負の仕方を参考にしている」と言われると、「残念、空回りしちゃったんだね・・・」と言いたくなってしまう。心苦しいのがヤマカンが作品放送開始前に「引退」云々言ってしまっている点。本来なら「次頑張れよ!」って声をかけたくなる所でも、現状ではどうしても「この程度で良いわけないだろ!何やってんだ!」と言ってしまいたくなる。まあフラクタルに対する期待を完全に捨て去ったわけではないのでまだまだ応援したいところですが・・・。
あ、そうそう、「ハリネズミ」のCDは明日発売らしいです。曲自体も凄く好きですが、西島大介のイラストをウネウネメタモルさせてるCMにはグッときました。これは明日買ってこようと思います。