前回はアスカの登場でそれまでからすると異色なエピソードのように感じたが、二話連続で明るい回が続くと異色であるという事を忘れて、『エヴァ』って元々こんな感じのアニメだったかもと感覚が麻痺してくる。
第9話、「瞬間、心、重ねて」
・今回は作画監督が長谷川眞也。ハセシン回は特徴的的な絵柄で凄く印象が強いんだけど、実は今回以外では16話「死に至る病、そして」しか無いんだよな。
・アスカが転校早々男子達の注目の的になっている様子が描かれているが、周囲の女子には必ずしも好意的に受け入れられていなかった?
・初見時、子供心に「アスカはなぜいつも高いところに登りたがるのだろう」と思ったものでした。
・カジに抱きつかれたリッちゃんの「んっ」って声がエロい。
・新たな使徒サンダルフォンが登場。この頃になると毎週のように怪獣が攻めて来るとかどこのウルトラマンだよと突っ込みたくなってくる。
・シンジとの共闘を命じられてご立腹のアスカ。絵ではブチ切れてるのに、みやむーの演技はそこまでやかましい感じじゃない。アフレコ時点で絵が出来上がっていなかったのか、みやむーの声優としてのキャリアが浅く、雰囲気が合わせ切れなかったのか。いずれにせよ、結果的にはアスカというキャラの不安定な側面が強調されているように感じられて良い。
それと、コクピット内のモニターと自然と目を合わせて会話をしているけど、この演出は今回からだっけ。ロボットアニメ的にはお約束で、アスカとシンジも自然と会話している。同じガイナックス制作の『グレンラガン』ではカミナがシモンと同様の通信を行った際、モニターごしの会話にえらく驚いていたのが逆に新鮮だった。
・使徒イスラフェルに先制攻撃を仕掛けるアスカ。一瞬血走った目のカットが入るのに初めて気がついたwなぜ今まで気づかなかったのだろうw
・使徒に「犬神家」的なやられ方をして、いたくご立腹な冬月先生。確か劇中でシンジとアスカが冬月と接触するのかこれが最初で最後じゃなかったかな。ちなみにアスカは劇中、ゲンドウと直接の接触が一度も無かったはず。
・「使徒は必ず私が倒すわ」というミサトの台詞。使徒殲滅へのただならぬ執念が伺える。これまでのミサトの描写としては、シンジを利用しようとしたことに自己嫌悪していたことや、それがきっかけでシンジを救おうとしたものの、結局傲慢さで空回りしてしまっていることなどが描かれてきていた。勿論ネガティブな面だけでなく、男気があるところや可愛らしい面があることも描かれてはいた。ただ、こうした人格が形成されるに至った経緯については謎に包まれたまま。過去に関しては父親と確執があるらしいことと、カジと交際していたことくらいしか分かっていない。…まあ現時点では過去が謎なのはどのキャラもそうなのだけど。
・委員長に「三馬鹿トリオの二人」と言われてしまっているトウジとケンスケ。シンちゃんも転校当初は孤高な一匹狼みたいな雰囲気醸し出していたけど、5話あたりから「綾波の胸!綾波のふともm(ry」とかやってるトウジ達と一緒にいるし、とうとう三馬鹿の汚名が板についてきたか。
・アスカ「このシンジに合わせてレベル下げるなんて、上手くいくわけ無いわ!」ミサト「じゃあやめとく?」アスカ「他に人、いないんでしょ?」
いつも通り高飛車なアスカ。しかし、代打として綾波をシンジと共闘させる案をチラつかせるミサト。
息がぴったりなシンジと綾波を目にして取り乱すアスカ。『エヴァ』のテレビシリーズは基本的に自惚れたり増長したりすると手痛いしっぺ返しを食らう世界。シチュエーションとしては4話「雨、逃げ出した後」でシンジがミサトに追い出されるときと被るものがある。あちらでもシンジが「他に選択肢はないから仕方なくエヴァに乗ってやる」というような事を言って厳しいペナルティを食らっていた。ただ、アスカとシンジのこの後とのやりとりは、ある意味二人の性格を象徴的に対比している。
アスカ「何も言わないで。分かってるわ、私はエヴァに乗るしかないのよ。やるわ、私。こうなったらなんとしてもレイやミサトを見返してやるのよ!」シンジ「そんな、見返すだなんて…。」アスカ「なに甘いこと言ってんのよ、男のくせに!傷つけられたプライドは十倍にして返してやるのよ!」
ここで「男のくせに」という言葉が。こうした台詞は1話からちょいちょい出てきている。前回も性差が重要なモチーフだという話はしたが、こうしたモチーフに結論めいたものが出されるのはどのタイミングだったか。16話なんかだとシンジは「戦いは男の仕事!」とか言って調子に乗ったところを使徒に飲み込まれてしまうんだったよな。となると19話「男の戦い」あたりだっけ?…まあそれはおいおい見ていくとして。
ちなみにシンジはアスカの勝ち気な性格に対して理解を示しているよう。
ちなみにちなみに、今回のアスカの台詞の直前には委員長が「い・か・り・君!追いかけて!女の子泣かせたのよ!責任取りなさいよ!!」といったことを言っていた。
・明らかに数割増なアスカの胸部(初々しいシンジ目線にはああ写っていたのだろう)。長谷川さんの絵はいつもに比べてムッチリしているので、この場面に限らず全体的に色気が漂っている気がする。
・カジにエレベーター内でキスされ動揺するミサト。その後リツコに早速そのことについて詮索される。これまで何回か触れてきたけど、ミサトとリツコの関係については大分忘れている部分があった。序盤はこんなにお喋りするシーンがあったのか。
・使徒との決戦音声は全編BGMだけ。本当は叫び声などの台詞も収録されていたのに、最終的に演出上の理由で全てカットされたというエピソードを『序』だか『破』が公開された時に緒方さんが言っていた。
・次回予告、「孵化直前の使徒が眠る浅間山火口。ミサトは速やかにA17の発令を要求する。全てにおいて優先された状況下で、初の使徒捕獲を試みるネルフスタッフ。局地仕様のエヴァ2号機が、灼熱の地獄へ挑む。高温高圧の極限状態。アスカがそこで見たものは。次回、「マグマダイバー」。さーて、この次も、サービスサービスゥ!」
そろそろ毎日アップするのが辛くなってきたけど、行けるところまで行ってみたい。次回に続く。
・次回感想→『エヴァ』テレビ版感想:10話 アスカの水着がダサい!
・全話感想もくじ→『エヴァ』テレビ版〜旧劇場版/『新劇場版:Q』全感想目次