『エヴァ』テレビ版感想:10話 アスカの水着がダサい!

油断するとあらすじ紹介や画像多用の罠にはまってしまうので気を引き締めていきたい。…ただ、リアルタイムで放送されていない作品について語るときはついキャプ画像に説明を任せてしまいたくなるんだよな。甘えすぎないようにしなければ。
 
第10話、「マグマダイバー」
 
・カジとのデートを楽しむアスカ。買い物で衝撃的にダサい水着をチョイス。過激すぎやしないかとカジに言われ、「今時はこれくらいがあたりまえ」とドヤ顔。初見時では腑に落ちない会話に思えたが、今では面と向かってダサいと言わないカジに大人な優しさすら感じるようになった。
・修学旅行に行けないことを残念がるアスカ。そうなることを予想し、達観した態度を取るシンジには「飼いならされた男なんてサイテー」と言い放ち、ミサトに対しても文句を言いまくる。アスカは修学旅行を楽しみにしてたようだが、学校で友達とかいるのかな。それなりの友達がいればどこでもそれなりに楽しむことができる性格なんだろうが。
「フフフーンフンフン フフフーンフンフン ジャーン♪」

青葉シゲルの数少ない見せ場!ここでキャプ画を使わずしてどこで使う。
調べてみたらエヴァwikiの解説が面白かった
http://evemedia.org/evawiki/%E9%9D%92%E8%91%89%E3%82%B7%E3%82%B2%E3%83%AB

本編中ではその他大勢の1人になりかけており、他の登場人物から一度も名前が呼ばれたことすらない。

劇場版では、本編での埋没化を盛り返すかのように、徹底したリアリストとして描写されている。(中略)
終盤でLCL化する際には、幻ではなく現実を見つめ、怯えるという人間的な反応をしていたほとんど唯一の人物となっている。もっとも、この描写については、青葉にとっての想い人を本編で描いていなかったことに由来するという見方も可能である。

ゲーム『新世紀エヴァンゲリオン2』では学生時代のバンドの思い出やネルフを志望した理由など、キャラの薄さを補うようなエピソードが追加されている。さらに言えば、オペレーター3人組の中で唯一レイのアパートに出入りすることができたり、仕事のインテリジェント・メッセージを選択しているのに、「総務の女の子にメールしなきゃ」だの「プライベートのスケジュールをチェックしよう」などというセリフを吐くスケコマシキャラと化している。

FFでは登場すらしない作品が多いが、なかには主役を張っている作品もある。しかしその影の薄さは尋常ではなく、(以下略)

新劇場版で一度も名前が出てこないことは知ってたけど、テレビシリーズと旧劇場版でも呼ばれてなかったんだね(´;ω;`)
・上記引用を受けての余談。
エヴァ」は様々なスピンオフが存在することでも知られているが、実は個人的にはそんなに触れてきていない。漫画版は『碇シンジ育成計画』、『ぷちえう゛ぁ』、『学園堕天録』あたりは数巻ずつ読んだが、どれもそれなりに面白いとは思うけど、それほど思い入れはない。あ、公式アンソロジーに収録されて後に連載、単行本化した『トニーたけざきエヴァンゲリオン』は面白かった。

 
ちなみに同アンソロに収録されている滝本竜彦の「綾波忘却計画」は名文。
http://blog.livedoor.jp/belog/archives/4754901.html
青葉シゲルwiki記事にも、滝本さんの「綾波忘却計画」にもエヴァの二次創作小説について触れられているが、僕はこの方面にめっきり疎い。エヴァのFFについては以前Twitterでいくつか面白そうな論文/記事が流れてきたが、どちらも長文なためその内読もうと思いながらいまだにちゃんと読めていなかったりする。近い内に読もう。
“ñŽŸ‘nìi‚ð/‚©‚çjŽ‹‚é
THE COMPETITION OF EVANGELION: Explanatory Notes
 
たまたま思い出して検索してみたのだが、滝本さんが出演されたBSアニメ夜話、以前はYouTubeに上がっていたのに現在は削除されてしまっているようだ。あの回は見所満載なので常々DVD化してほしいと思っているのだが、以前岡田斗司夫が映像の権利関係で難しいと言っていた気がする。一応他の動画サイトに落ちてたのを発見したので、リンクしておく→—在线播放—优酷网,视频高清在线观看
序破Qさんによる文字起こし→http://johakyu.net/lib/2009/01/2009-01-08-000877.php
アニメ夜話エヴァ回は書籍化されていないので、いずれも貴重な資料だ。
アニメ夜話のこの回は中学生の頃に見た。この放送には、『エヴァ』の放送当時、どちらかというとエヴァを腐す側であったオタク第一世代のお二方がなぜか「まとめ役」として出演されていて、今見るとわりと違和感を覚える。猫などかぶらずに、どちらか一方は素直にそうした意見を持つ者の代表として出演されても良かったのでは。周辺知識が無かった僕は、当時彼らが「エヴァは純文学」とか言っているのを聞いてそういうもんかと思った(し、現在でもわりとそう思っている)が、後で彼らのエヴァへのスタンスを知り、なんだかなーと思ったものだ。
ちなみにアニメ夜話エヴァ回に関しては以下のような裏話もあった模様。
http://johakyu.net/archives/2007/08/2007-08-12-000588.php
 
・久々にアニメ夜話を見返していたら藤津さんの指摘が示唆的だったので、次回以降の感想のためにもここで一回引用させて頂く。

藤津 今の滝本さんの成長するで、さっきのシンジが成長の話で思ったんですけど、『エヴァ』って成長してもどこに行くか、よく分からないんですよね、あの世界だと。アムロって、戦場があって、社会があって、頑張ってる大人がいるんで、そこの一員になるっていう、成員になるっていうことで、大人のイメージがあるわけですけど。『エヴァ』って、大人ってお父さんしか、ほとんどいなくて。
岡田 あの世界に大人はいないですよね。
藤津 他も、ほとんど大人、一般社会みたいな描写はなくて、第3新東京市も結果的に人のいない街なので。『エヴァ』って、あの環境をシンジが卒業した時に、どこ行くかっていった時に。
小谷 ネルフに就職?
藤津 みたいなことしかなくて。それが見えないから、成長させようがない構造に、最初からなっているっていう気はちょっとしたんですよね。

前回の感想にて、性差というモチーフについてもやもやっとしたことを書いたが、こうした世界観を前提として頭に入れておくのは重要な気がする。例えばアスカにしてもエヴァパイロットであることにやたらと拘るが、使徒なんて残り数体で全滅なわけで。使徒が全滅したら彼女は何を支えとして生きていくつもりなのか。パイロットだったころの思い出を支えに生きる、というタイプにも見えない。途中から登場人物達がこうした袋小路にどんどん誘導されていってしまう感がある。
 
・本編感想に戻る。熱膨張に関する話題で、温めたら胸も大きくなるだろうかとアスカに言われ、取り乱すシンジ。直後の「つまんない男」というアスカの台詞と表情がトラウマ。


・人類の存亡がかかっているのに、耐熱仕様のプラグスーツがダサいという理由でエヴァに乗ることを渋るアスカ。さっきダサい水着は着てたくせに!
その後、綾波が2号機に乗るくらいならやはり自分が乗ると、コロリと意見を変える。綾波とのギスギスした雰囲気が良い。11話「静止した闇の中で」や12話「奇跡の価値は」でアスカと綾波のギスギスは一旦解消傾向に向かうかと思われるが、結局ギスギスに元通りとなってしまうのだよな。

・作戦が失敗した場合はUN空軍が使徒をネルフ職員ごと吹き飛ばすことになっていると知り、憤るシンジ達。シンジはその決定がゲンドウによるものであると聞き、顔をしかめる。シンジとゲンドウの関係についてはこれまで棚上げ状態で触れてこられなかったので、こうしたちょっとしたエピソードでも印象に残る。
・マグマへと入っていく2号機。エヴァでは閉鎖された空間での恐怖が何度か描かれるが、こうした描写はこの回が初出か。『トップをねらえ!』のスミス死亡回を彷彿とさせる。アスカが明るい性格なので16話の「死に至る病、そして」などに比べると悲愴感は薄いが。エヴァにおけるこうした隔離空間の描写については16話あたりの感想でまた少し触れると思う。先出しすると、『エヴァ』のこうした部分に関してはミクロKOSモスさん([http://www.green.dti.ne.jp/microkosmos)の「潜水艦映画としての『エヴァンゲリオン』」という論考(幻視球さん主催の『ORBITAL』という同人誌に収録→http://alice-books.com/item/show/58-1)が面白くてオススメ。
 
・次回予告、「碇司令の敵は使徒だけではなかった。ネルフを快く思わない人々が、第3新東京市全ての電源を止める。閉鎖され、近代設備が何も動かないネルフ本部に、使徒が迫る。ひたすら地下をさまよい続ける三人の少年少女は、果たして使徒迎撃に間に合うのか。次回、「静止した闇の中で」。さーて、この次も、サービスサビス!」
次回はみんな大好きジブリ回!
 
・ネットでエヴァの資料を探そうとするとことごとく序破Qさん(http://johakyu.net)にたどり着くのだが、最近サイトがぱったり更新されなくなっていて寂しい。私生活がお忙しいのだろうか。文字起こし系の記事以外にも独自の着眼点によるネタの発見等、いつも楽しみに読んでいたのだが。
 
本ブログは開設時より、午前6時までに記事をアップすれば、記事が前日分のものとして公開されるよう設定されていた……のでなんとか今日も連日更新記録が継続できた(笑)
というわけで次回につづく。
・次回感想→『エヴァ』テレビ版感想:11話 アスカ性格悪し
・全話感想もくじ→『エヴァ』テレビ版〜旧劇場版/『新劇場版:Q』全感想目次