今週のジャンプ読みました。
ムヒョの西先生の読みきり『魔境旅行師グラム』が結構良かったですね。流石連載経験が二回もある作者だけあってキャラも立ってるし(この作者で以前も似たようなキャラいた気がしないでもないが・・・)読みやすさも申し分ない。今までは「幽霊モノ」で頑張ってきてた作者さんだけど、流石に既にジャンプ内で2作品幽霊モノで連載作があるのでジャンルは上手くずらして来ましたね。前作の「ぼっけさん」でも感じたけど、この人設定をコッテリ考えるのも割と好きそうなんですよね〜。それが今回はうまくいってるように感じました。それとキャラや設定もですが、内容に関しても
「「安住の地」ってさあ 伝説のすんげぇところなんだろ?だったらもっとワクワクするんじゃねーの?ここって物はあるけどよぉ なんか面白くねーんだよな〜。」
って台詞に代表されるようなテーマも良かったように思います。以前読んだブログ「アニオタ保守本流」さんの『マイマイ新子と千年の魔法』の記事(→http://d.hatena.ne.jp/aniotahosyu/20100222)を思い出しました。以下そちらのブログより引用。
「物質(カネ)に価値観を委ねる時代は終わった。日本はまさに本作『マイマイ新子と千年の魔法』の舞台「1955年」が「55年体制」という戦後日本のある種構造的出発点の年であったように、物質至上の唯物的価値観でここまで登りつめてきた。しかし、バブルが崩壊し唯物論は終わった。なのにそれ以後の日本は、相も変わらずダムを作り橋を作り高速道路を作り空港を作ることをやめなかった。ここにこそ、バブル崩壊後「希望」を見出せないこの国の根本的病理があるように思う。
もういい加減、目に見えるモノ、目に映るもの、目に触れるものだけを信じてきた、戦後の唯物論とはお別れをしよう。我々はこの作品をして、どんなに社会が変わろうとも、そしてどんなに肉体が、物質が滅ぼうとも、繰り返し繰り返し示される、過去から未来に通底する価値観=希望を見つけることが出来るではないか。」
読み返してみて思うけどアニオタ保守さんが言ってることがそのまんま当てはまるような台詞だなー(笑)というわけでこの読みきりには今どきありがちなキャラと設定だけ魅せようとするそこいらの読みきりとは一線を画すものを感じたのでした。この『グラム』はできれば読みきりだけでなく連載でも読んでみたいですが、この作者って連載になった途端に話がゴチャゴチャしだして魅力が薄れちゃうんですよねー。ただところどころストライクな部分がにじみ出る作家さんなので生暖かく応援してます。それとついでのようでなんですが、『マイマイ新子』はマジで近年稀に見る素晴らしいアニメ映画なんで未見の方は是非DVDで見ることをオススメします。確かもうDVD予約始まってたはず!
あと『ロックオン!』が打ち切られたら僕は久々にマジ切れするんでどうか編集部の方々には思いとどまっていただきたいところです。