四畳半神話大系 9話感想 : 責任者はどこか

四畳半先週放送の分を見ました。いや〜、今回は師匠の言葉にしびれた回でしたね。Bパートの小津の話も良かったけど。
師匠“自分のほかの可能性”というあてにならないものに望みを託すことが、諸悪の根源だ。今ここにいるキミ以外ほかの何者にもなれない自分を認めなくてはいけない。君が有意義な学生生活を満喫できるわけがない。私が保証するからどっしりかまえておれ。“バラ色のキャンパスライフ”など存在せんのだ。なぜなら世の中バラ色ではない。実に雑多な色をしているからねぇ。
この台詞の前にある主人公との会話も含めて秀逸と言うほかない場面。特に「実に雑多な色をしているからねぇ。」とか凄い鳥肌。このシーンは作品主題がストレートに投げかけられていると思うんですが、台詞の締めくくりがコツコツ積み上げられてきた作品世界観と絶妙にマッチしていてもう最高。“雑多な色”というのがこれまでしっかり描かれてきていましたからね。もう参ったとしか言えない。
思い返せば『四畳半』てこれまで凄〜く面白いエピソードもあれば、まあまあほどほどに面白い回もあった。でもつまらない回というのは(あくまで個人的にですが)無かった。つまりそういうことなんだと思うんですよ。何もかもが上手く行くなんてのは所詮ありえない話で、自分から見て幸福の絶頂にいるような人でも大なり小なり悩みを抱えているわけで・・・。無理に自分の他の可能性を探し続けるんじゃなくて、今の自分をもっと精一杯エンジョイしたほうが、時には幸せになれることもあるんじゃないかな。
占いババとにかく好機を逃さないことが肝心じゃ。」「好機はいつもあなたの目の前にぶら下がってございます。あなたはその好機を捉えて行動に出なくちゃいけません。」「さもないと!・・・あなたはまた今と変わらぬ人生を歩むことになるじゃろう」(1話より)
あらゆる不幸がそうであるとは言わないけど、あの手の不幸の「責任者」はどうしようもなく「私」以外ありえないんだよなぁ。不幸と言うより、この場合は“不満”と言ったほうが良いような気もするけど。