『メリー』山内監督イベント、ワゴン騒動あれこれ

アニメ『夢喰いメリー』のアニメスタイルイベントをめぐり、ちょっとした騒動が起こりました。たまにイベントのレポートを書いたりする者としては他人事と思えない事件だったので、思った事少し書いてみます。

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【魚拓】『夢喰いメリー』山内監督がアニメは失敗発言をして原作者が落ち込む|やらおん!(やらおん元記事の魚拓)
http://yaraon.blog109.fc2.com/blog-entry-2108.html(修正後のやらおん記事)

以下、上記記事を読んでいる前提で書きます。一応、この記事の趣旨としては山内監督に対するフォローと、「ワゴンの神様」管理人へのフォローという感じです。
 
僕としてはアニメ版『メリー』は素直に楽しむ事はできなかったものの、心に妙な引っかかりを与えてくれた作品でした。実際視聴は7話程で打ち切ってしまいましたし、「最後くらいは観ておこう」と思い観てみた最終回もかなり残念なデキに思えました。ですがそれでも、作品からは強烈な個性を感じ、違和感の正体を知るために色々ググってみたり、その他の山内作品が気になり、こっそり『キャシャーン』を何話か観てみたりもしました。そうした結果、山内監督というのが独特のこだわりのある、良くも悪くもクセの強い作家なのだという事が段々と分かってきました。山内監督は作品と歯車が噛み合えば『キャシャーン』のようなシブかっちょいい作品が作れるけど、クセが強いばかりに、それが合わなかった時、『メリー』のようなギクシャクした内容になるんだろうな、というのが、山内さんが監督したTVアニメ10話ほどを視聴した僕の率直な感想です。
そしてそれらの情報を踏まえ、「ワゴンの神様」の山内監督イベントの記事を読みました。僕としては、監督が強い作家性の持ち主なだけに、『メリー』ではいかにしてそれを原作を活かす形に持っていけるかと模索してたかが垣間見えて大変面白かったのですが・・・。
 
とにかく本題。山内監督への批判について。これはわりと多くの人が感じてた事と(勝手に)思ってるのですが、アニメ『メリー』は、「全体がギクシャクしててイマイチ」というのが僕の感想。しかし山内監督の「失敗」発言は作品全体ではなく、「ラスト部分」に対して語られたものであった。少なくとも僕は、監督が自分の持ち味を活かしつつ、『メリー』原作をより魅力的に調理できたのではないかという心残りがあった、という意味で言っていたのだと受け取りました。
↓この部分

山内監督:
でも失敗してますよね。上手くまとめれなくて…。
キャシャーンもそうだけど尻がどうしてもまとまらなくて。
 
 
アニメ様:
フォローしずれぇw。でもキャシャーンはわざとああしたんでしょ?
 
山内監督:
まぁそうだけど。
いっつも最終回終わって寝てると、
ちがうカット割りが浮かんできてコンテ1本分できちゃうんですよw

http://alien701.blog117.fc2.com/blog-entry-334.html

 
しかし原作者含め、多くのファンは山内監督がアニメ『メリー』そのものを失敗作だと言ったように受け取ってしまった。この勘違いを引き起こした大きな理由のひとつにやはり、そもそもアニメ『メリー』のデキがそんなに良くなかったから、というのはあると思うんですが・・・まあ、そんな私見はおいといて。とにかく、ここで大きなすれ違いがあったと。山内監督は作品全体ではなく、自分の仕事の一部分を「失敗」と称していたのに、それが正確に伝わらなかったというのがあったと思います。
個人的にはこの誤解が解ければ問・題・解・決!じゃん!という感じなのですが、どうももうひとつ気になる事があったのでもうちょっとだけ。第二に、そもそも「部分」に対する失敗の公言すら許さない人を見かけたました。
「やらおん」記事内にあったレスを引用しますが

238 名前:メロンさんex@ご利用は紳士的に[sage] 投稿日:2011/05/31(火) 06:31:27.03 ID:4/KXE+Q70
東ンゴとかそうだけど
製作側が失敗だったとか絶対に言っちゃいけないよな

  
とまあ、やらおんではこのレスがあたかも超正論であるかのように色付きの大文字で強調されてますが、個人的にこの考えにはこれっぽっちも賛同できない、という事です。
なぜ「絶対に言っちゃいけないよな」なのでしょうか。
僕は面白い作品があればその作品が面白くなった理由を知りたくなるし、突き抜けてダメな作品があればなぜその作品がダメになったのかが気になって仕方なくなる。そのためには制作者にはある程度正面から語ってもらいたいし、そこで「ここは良かったけどあそこは失敗した」なんて発言があっても良いじゃないか、と思うのです。むしろ歓迎しちゃうくらい。表現者が何を思って作品作りに励んでいたかっていう所、探っていくと楽しいじゃないですか。そりゃモラルの問題もあるでしょうから、例えば「原作小説が糞だったせいでアニメまで糞になった」なんて発言はNGでしょう。しかし今回の場合は明らかにそれとは違うように思うのです。と、これが二つ目です。
 
最後に炎上してしまって気の毒なワゴンの神様管理人へのフォロー・・・というかなんというか。テープ起こしについてまで赤裸々に謝罪しちゃってまあ・・・。僕は件の記事は(読みようによっては原作者が気分を害する箇所を含むものだったかもしれないですが)単体では炎上する要素は無く、多くの人がアニメ『メリー』をつまらないと感じていた前提の上で、不幸が連鎖して炎上してしまったのだと思ってます。ですがワゴンさんとしては大好きだった作品の制作者サイドに波風を立たせる一因を作ってしまったのは事実。それについて「罰を受ける覚悟がある」とまで言っているので、もうこれ以上の対応は無いんじゃないですかね。この件がこれ以上大事にならずに収束してくれる事を願うばかりです。そしてワゴンさんには今回の事でこりる事なく、今後もじゃんじゃん見聞きした事を記事にしてってもらいたいですね。マニアックかつ、ぬるオタにも優しい記事で毎回楽しみに読ませてもらってるんで。
 
それとやら管については・・・うーん、難しいところ。やらおんは間違いなく二次的な炎上を加速させた大きな要因となりました。しかし、そもそもやらおんに載る前にメリーの原作者はワゴンの記事について呟いていたわけで、その後やらおんが絡んでいなくとも、大なり小なり話題になっていたであろう事は考えられます。なのでやらおんを悪者の代表格にしてしまうのは、今回は筋違いな気もするなー。やらおんへのイライラについては共感する所もあるんですけどね(笑) つーかやらおん、指摘受けて記事修正したんならその旨きちんと記事内で明記すべきじゃないのかなぁ(ネチネチw