初週の国内販売台数が11.8万台弱という、モノを売るレベルではない出荷数で発売されたPS5。幸運にも予約ができたため、『シン・エヴァ』公開まで約2カ月というこの大切な時期に、10日で60時間ほどやり込みエヴァ完結を待つ胃の痛みから目をそらし続けることに成功しました。
ちなみに私はたまたま発売1週間前にPC前に座っていて楽天で在庫が復活したので予約できましたが、その前に12件の予約抽選に全滅し、絶望していました。早く皆が気軽にポチれる状況になってほしいものです。ソニーはどうか増産を……。
PS5の初週販売台数11.8万台か〜。めっちゃ少なくて物売るってレベルじゃなかったPS3ですら15万なので、店頭で並ぶゴリ押しが許されずおまけに転売屋とのバトルまであった今回はまじで激戦だったんだな。ちなみにPS2が98万で、PS4が32万。初代PSの初週販売台数はググっても見つけられなかった。
— さめぱ (@samepacola) 2020年11月18日
●PS5の良いところ
・純正ヘッドセットによる3Dオーディオへの没入感
・ロードが速い ※PS4(無印)比
・画面がきれい ※しかし我が家のテレビは4K非対応…
・コントローラーの微細な振動・トリガーの感触
・本体が静か
・思ったよりコンパクト(画像参照)
純正ヘッドセットは1万円にしてはかなり良いので、非情におすすめです。問題は本体同様売り切れ気味なところですね。既に3Dオーディオ対応の高価なヘッドセットを持ってる場合はそちらでも良いかも。音質にはこだわらない方ですが、これは遊ぶなり体験としての質の違いを理解しました。なお3Dオーディオに対応していないPS4のゲームを遊ぶときなどは本体側の3Dオーディオ設定をオフにしたほうがクリアに聞こえる気がします。
PS5思ったよりコンパクトだった pic.twitter.com/CQV2Zc3yKq
— さめぱ (@samepacola) 2020年11月12日
コンパクトさが分かる画像
●PS5のいまひとつなところ
・コントローラーが重い
PS4コントローラーが213gだったのに対して、PS5コントローラーは282g(手元の実物で計測)。とはいえ60時間遊んで慣れた=握力が強化された。ちなみにXboxの最新コントローラーは電池込みで287gらしい。
・メニュー画面
まず電源を切るまでの導線が良くない気がします(※別売りのメディアリモコンを使うとワンボタンでPS5がスリープになりテレビの電源も来れるのでちょっと便利)。3Dオーディオのオン/オフやアダプティブトリガー機能のオン/オフをもう少し手軽にできるようにしてほしい。
・ドルビービジョン非対応
現状不都合はないのですが、将来的にテレビを買い替えた後はメディアプレイヤーとしても期待していたので、ここは若干のズコーッ感。なおドルビーアトモスに関しては、BD・Ultra HD BD再生時に機器側が対応していれば再生可能らしい(ストリーミングサービスはドルビービジョン/ドルビーアトモス共に不可)。
・メディアリモコンの「Disney Plus」ボタン
現時点でDisney PlusのPS5国内版アプリが存在しないので、“Disney Plusボタン”を押しても「利用できない」という注意書きが表示されるだけという渾身のギャグが体験できます。
みんな大好きディズニー+ボタンです。流石に近日中に日本でも対応予定なんですかね… pic.twitter.com/wKIzfPsFvs
— さめぱ (@samepacola) 2020年11月12日
ちなみにPS5のメディアリモコンのディズニー+ボタンを押すとこの画面が出ます...(北米版のディズニー+アプリを入れていても変わらなかった) pic.twitter.com/fltYUGtjJY
— さめぱ (@samepacola) 2020年11月14日
●不具合について
・フリーズや強制シャットダウンは一度も無い
今のところ快適そのもので、不具合とは無縁です。これは上記の通り4Kテレビではなく1080pで遊んでいるからかもしれません。
4Kテレビだと不具合が生じやすいという声も見かけるので、来年テレビを買い替えたときにどうなるかが若干不安。今後本体やソフト側のアプデでどうにかなるとうれしいですね。ただ最悪初期不良で本体が死んでもソニーが交換対応してくれるはずと信じているので今のところそれほど気にしてません。
●やったゲーム
・『アストロプレイルーム』(プレイ時間:5時間ほど。本編クリア済)
本体を買うと無料で付いてくるソフト。とりあえずこれをやると幸せになれる。
ゲーム内容はよくできたやさしい3Dマリオといった趣き。ロードの速さ、コントローラーの微細な振動機能、「アダプティブトリガー」によるL2/R2の独特な推し心地、ヘッドセットとの相性抜群な3Dオーディオなど、機能面の見本市のようなソフト。PSシリーズ愛が詰まった小ネタも満載で、新ハードの開幕を飾るのに相応しい1本。
・『Dirt5』(プレイ時間:10時間ほど)
国内版は発売日未定なものの、海外のDL版や輸入ディスク版でプレイ可能です。ざっくりレースを楽しむだけなら英語力はほぼ求められません。万人にオススメできる、ローンチの隠れた良タイトルだと思います。
個人的には3人称視点でのプレイが好みですが、ドライバー視点でプレイしたときのヘッドセット+3Dオーディオの威力がすばらしいです。車体に当たる小石の音や、観客席の方角から鳴り響く爆音BGMが“音を浴びている”感じでとにかく気持ち良い。雨や雪といった天候エフェクトや路面のドロや土埃、水たまりの反射などの視覚表現全部盛りなのも目に楽しいです。
雨が降って水たまりのしぶきが上がり大量のマシンが衝突したり……と複数の要因が重なると流石に多少処理落ちしますが、ゴテゴテしたグラフィックのレースゲームが60fpsで動くだけでうれしい! となれます。現状のPS5タイトルとしては貴重な120fpsモード搭載タイトルでもありますが、残念ながら我が家のテレビは非対応なのでそちらは未体験……。
路面状況を反映するコントローラーの微細な振動による触覚フィードバックと、アクセルの重みを再現したトリガー操作もクセになります。ただし細かなアクセルやブレーキを求められるので、長時間プレイする場合はアダプティブトリガー機能はオフにしたほうが快適です(アダプティブトリガーがオンだと押し込むのに握力を使い疲れるため)。
リアル路線だった過去作に比べて、完全に派手なビジュアル&手軽な操作に振った方向性になっています。制作を手掛けたのがコードマスターズ内の「Codemasters Cheshire」というチームで、『モーターストーム』シリーズのスタジオ出身者が多く所属しているらしいと聞いて納得しました。
シミュ系のリアルさを求めるDirtシリーズファンからは不評なようですが、手軽に遊ぶレースゲームとしてはオススメです。
どうせディスク版で遊ぶのであればPS4版を買ってPS5版にアップデートしても良いのかもしれない。ただこの記事執筆時点ではなぜかPS5版の方が1000円ほどお安い
・『アサシンクリード ヴァルハラ』(プレイ時間:35時間ほど)
今のところPS5用に買ったソフトで一番楽しい。ストーリーもグラフィックもゲーム性もロードの速さも翻訳もとても良い。バグはそこそこあるものの、進行不能なバグに見舞われてもオートセーブですぐに戻ってやり直せます。楽しいから許せてしまう……悔しい……。
シリーズ歴は『1』のみクリア済みで、『2』は3分の2ほどプレイしたところでリタイア。『3』『4』『シンジケート』はどれも序盤でリタイアしています。なのでちゃんとプレイするのは『アサシンクリード2』以来(自分にとっては約8年ぶり)。
『2』の舞台はルネサンス期のイタリアで豪奢な町並みが印象的だったため、その後プレイしたシリーズタイトルはどうしてもそこが見劣りするように感じてしまっていました。ところが今作はヴァイキング時代の草原だらけのイングランドが舞台にもかかわらず、ちっとも退屈じゃない。綺麗な風景と異国情緒、しっかりしたストーリーがあればこんなに面白くなるのだなと、やっと「何がやりたいシリーズだったのか」が理解できた気がします。
今になって振り返ると、アメリカ独立戦争時代を舞台にした『3』冒頭の雪原なども同様のねらいがあった気がしてきます。とはいえPS3/360世代では自然を美しく描写するにはいかにもパワー不足で、そこが自分にとって煮え切らないタイトルになっていた理由なのかなと。
そういう意味では、評判が良かった直近作の『オリジンズ』『オデッセイ』あたりは、もしプレイしていれば楽しめていたのかもしれませんね。『ヴァルハラ』クリア後に勢い余って『オデッセイ』あたりに手をだしてしまいそうな気もしています。
『アサシンクリード ヴァルハラ』とかいうヴァイキングの血塗られた歴史を紐解く超大作歴史ファンタジー pic.twitter.com/64VOvQ9Hso
— さめぱ (@samepacola) 2020年11月17日
『ヴァルハラ』に話を戻すと、最大の不満はヘッドセットとの相性がいまひとつなこと。環境音がさほど立体的に聞こえず、セリフもぼやけて聞こえます。これについては本体設定で3Dオーディオをオフにしたほうがクリアに聞こえる気がします。
また流血表現の規制がらみのゴタゴタは実に残念。ゲーム性を損ねている点も不満ですが、それ以上にUBIの初期対応があまりに不誠実で唖然としました。その後一応の謝罪は出たので、あとは一刻も早く流血表現追加の修正パッチを配信してほしいところ。
商売優先のため不完全版なのを隠して売ったと発売1週間後に「謝罪」ではなく「報告」で済ませようとするとかひどすぎでしょw/追記来てた。CEROに濡れ衣まで着せてたのかw 全部許すからアプデで流血表現パッチはよ / “『アサシン クリード ヴァルハラ』のゲーム内表現に…” https://t.co/Loh9BoEl7k
— さめぱ (@samepacola) 2020年11月19日
・『デモンズソウル』(プレイ時間:10時間ほど)
買う人は勝手に買うのであまり紹介する余地がない……。『ワンダと巨像』のPS4リメイクなどで知られるBluepointによるリメイク。プレイ感はそのままに、グラフィックが見違えるように綺麗に。そして何よりロードが速いです。
ロード短縮により死んだときのストレスが軽減されるので、「もう1回」へのハードルがぐっと下がりました。しかしそれでもそれ相応の心の強さが求められるので、結局PS3版同様「ボーレタリア王城1」をクリアして少し進んだあたりで立ち往生してます。
・『スパイダーマン マイルズ・モラレス』(プレイ時間:3時間ほど)
これも買う人は勝手に買うのであまり余地が……。画質と操作感は◎。アクション面が前作でだいぶ飽きてしまったのと、お使い気味なストーリーでそこまでのめりこめていません。相変わらずフォトモードは楽しいです。
相変わらずスクショが捗る pic.twitter.com/KXZfuwvl6Q
— さめぱ (@samepacola) 2020年11月13日
また、前作同様せっかくのフルボイスですが、翻訳がどうにも肌に合わない。主人公のマイルスは高校生のはずなのに、全体的に幼い感じなのがムズムズします。江戸川コナンが大人に喋りかけるときのような口調というか。あるいはセリフの抑揚を大きめにつける音響ディレクションのせいもあるかも。個人的な好みでいえば、続編があれば翻訳や吹替えの方向性を見直してもらいたいです……が、セールスがわりと良く、同様の意見もほぼ見かけないので、そこはあまり期待できなそう。
●やりたい新作が当面ない
新作タイトルは当面枯渇気味になりそうですが、ひとまず気になっているのは『サイバーパンク2077』と、UBIによるジェネリック『ブレス・オブ・ザ・ワイルド』こと『イモータルズ フィニクス ライジング』ぐらい。
しかし『サイバーパンク2077』はPS5版の発売が当分先で、まずはPS4版で遊ぶことになるので、いっそ規制がゆるいPC版を買うべきか悩みますね。また『イモータルズ~』はそこまでグラフィック推しではないようなので、PS5でどこまで恩恵があるのか謎ですね。
「ジェネリックBotW」といえば、小1時間しか触ってないので上のソフト一覧には入れませんでしたが、『原神』の冒頭を触ってみたところ実に快適でした。PS5だと60fpsですが、PS4だと20~30fpsらしいので、PS4タイトルでも結構恩恵があるんですね。
『原神』開幕早々に白黒作画(作画ではない)やってて笑う。ゲームで見るの初めてだな。 pic.twitter.com/rhJngidTrw
— さめぱ (@samepacola) 2020年11月15日
当面は『アサシンクリード ヴァルハラ』をやりつつ、ロードが早くなった『レッド・デッド・リデンプション2』や60fps化した『SEKIRO』あたりの積み残したPS4ソフトを崩して新作を待ちたいと思います。
4Kテレビへの買い替えはHDMI 2.1対応モデルが増えそうな来年春以降を予定しています。ただ今後4k(8K)の120fps対応タイトルがどの程度出るのか、また果たしてエフェクト表現などを犠牲にしてまで120fpsでプレイするケースがそんなにあるのかが未知数なので、今出ている適当な4Kテレビでも良いのでは……という気も半分くらいしています。
なんにせよ、新作が揃ってくるまでにはもう少しPS5本体が入手しやすくなって、ハード全体が盛り上がってくるとうれしいですね。
まず箱がでけぇ…(伝わるか…?) pic.twitter.com/gB9kfRL3RL
— さめぱ (@samepacola) 2020年11月12日