『メガネブ!』がおそらくやばい

とりあえず落ち着いてこいつを見て欲しい。

2011年に発売されたOVA作品『この男子、宇宙人と戦えます。』の予告編である。
なぜ今どきこんなセカイ系っぽいセカイ系が作られたのかという疑問。そして、なぜこんな面白そうな逸材が今まで自分のアンテナに引っかからなかったのかという悔しさ。
「この男子、宇宙人と戦えます。」 | バンダイチャンネル
山本蒼美とは - はてなキーワード
監督のプロフィールを知って色々と腑に落ちた。山本蒼美監督は1990年生まれと非常に若く、中学時代に新海誠作品に感銘を受け、アニメ制作の道へ進んだのだという。同人ゲームのOP制作などを経てコミックス・ウェーブ・フィルムからOVA発売とかエリート新海フォロワー感がすごい。『この男子、宇宙人と戦えます。』の翌年には「この男」シリーズ第二弾である『この男子、人魚ひろいました。』を発表。そして今年秋、テレビアニメ『メガネブ!』が放送開始。

昨日バンダイチャンネルで『この男子、宇宙人と戦えます。』を観た後、BS11で放送されていた『この男子、人魚ひろいました。』を鑑賞した。個人制作に近い体制で作られているためか、絵的に荒削りなところもあったが、ビジュアルセンスは優れているし、演出面で自分の引き出しを惜しげもなくアピールしていて、観ていて単純に楽しかった。新海監督やシャフト作品、BL要素など(影響を受けた特定のBL作家がいるのかもしれないがそこは分からない)、山本監督が親しんできたであろう作品の影響でごった煮になっているのもなかなか強烈。『人魚』はBLに寄りすぎていたので、個人的には内容がより混沌としていた『宇宙人』の方が好みだったが、商業2作品目なだけあって映像面では『人魚』の方が洗練されていた。興味がある人はどちらもバンダイチャンネルなどで視聴可能なので是非。
それで秋アニメ『メガネブ!』についてなのだが。

完全にスルーするところだったが、意外なところで引っ掛かりが見つかるものだ。予告だけ見ると海のものとも山のものともつかないが、異様なオーラはある。
暗い青春を送ってきた身としては、「この男」シリーズの2作では要所で制作者のリア充性があらわとなり、無慈悲な暴力を受けたような気分を味わったので、はじめから健全な青春路線で行ってくれるのはむしろ歓迎。デビュー作などで見せた中二病感は前面に出すのではなく、作中の意外なところに散りばめる程度のほうがバランスよく仕上がる気がする。などと勝手な期待の押し付けをするのはほどほどにして、とりあえず1話目を見守ってみようと思う。