『エヴァ』テレビ版感想:11話 アスカ性格悪し

気がつけば『Q』の公開まで三週間切っててドキドキする。
 
第11話、「静止した闇の中で」
 
・ギターを背負った青葉シゲルが前回に引き続きバンドマンアピール。

・冬月が第3新東京市の市政が事実上MAGIによって行われていることを説明ゼリフっぽく解説してくれる。

それを聞いて「えー?スーパーコンピューターのMAGIがですかぁ?」「まさに科学万能の時代ですね!」とわざとらしく驚いてみせるマヤ。青葉にも「古臭いセリフ」と突っ込まれている。マヤレベルで知らないとなると、冬月はわりと重大な機密をべらべら喋ってることになるのでは…。それか、誰でも知っていることにも関わらず、マヤがわざわざ驚いてあげてたとか。考え得るパターンとしては

1、本当に知らなかった
2、知っていたが、おじいちゃんの世間話に付き合って上げた
3、知っているかどうかに関わらず、出世のためのご機嫌取りのためいつもこうした反応を示すようにしている

マヤは潔癖症で素朴で優しいのできっと1か2のはず。
・いつものように凛々しいミサトさん

ゲンドウ「なんだ。」シンジ「あ、あの、父さ…」ゲンドウ「どうした!早く言え!」シンジ「あ、あの、実は今日、学校で進路相談の面接があることを…父兄に報告しとけって…言われたんだけど……」ゲンドウ「そういう事は全て葛城君に一任してある。くだらんことで電話をするな。こんな電話をいちいち取り次ぐんじゃない(ブツッ)」

シリーズ屈指のコミュ障会話が炸裂している。どっちも対人スキルがゴミすぎてヤバイ。
ただシンジには謎のメンタルの強さがある。普通実の父親にこんな態度で接せられたらわりと傷つきそうなものだが、シンジは会話の内容よりも、電話が不自然に切れたことに感心が移っているようなのだ(電話の切断は停電によるもの)。ゲンドウとの会話については以前からずっとあんな感じだったため、ある意味慣れてしまったのだろうか。シンジはここのところ他の人とは比較的にまともにやりとりできていたので、こうなってくると問題はシンジではなくゲンドウにあるのではないかと思えてくる。この後冬月&ゲンドウの「ぬるいな」「ああ」のセリフがあるが、ゲンドウは冬月先生とは仲が良いんだよな。
ジブリ回はキャラ修正が他の回に比べて異質なので、どちらかといえばネタとして話題にされることが多い印象があるのだが、人物の表情は豊かだし、アクションもあるし、美術も良い。話のテンポもコミカルで楽しいし、かなり好きなエピソード。
・今回見ていて光源を使った演出が印象的だった(上の受話器を持つシンジのカットもだが)。

・暗闇で人影(日向マコト)を発見し大はしゃぎのアスカとシンジ。

・アスカが先導して道に迷う際は下手から上手(+手前)への移動。


綾波が先導して本部に向かう際は上手から下手方向へ。


・本部へと向かう際、狭い通路でアップのシンプルなショットが続くが、小気味良いカット割りにより人物の立ち位置の入れ替わりなどが分かりやすく表現されている。また、不安を煽るようなBGM(rei)が流れることで、人間関係のギスギスも良い感じで伝わってくる。ちなみに今回のコンテは摩砂雪さん。検索したらちょうど同じBGMを演奏している動画があったので、リンクを張らせてもらった。
画像は

1,2
3,4

といった順。








・感想がひきずられてしまうので、一旦全話見終えるまではなるべく読まないようにしようと心に誓ったアニメスタイルエヴァコラムだが、このエピソードに関しては以前読んだ「しりとり」っぽい場面の繋ぎ方に関する解説が面白くて印象にのこっていたので、リンクだけ貼らせて頂く→WEBアニメスタイル_COLUMN
・アスカは「あんた、碇司令のお気に入りなんですってね。やっぱ可愛がられてる優等生は違うわね。いつもすかし顔でいられるしさ。…あんた、ちょっとひいきにされてるからってなめないでよ!」みたいな性格の悪さが全面に出たセリフを吐いた上に、直後に綾波「(壊れて行き止まりになってる通路を発見して)仕方ないわ。ダクトを破壊して進みましょう」と言った際に、「ファーストって恐いコね。目的のためには手段を選ばないタイプ。いわゆる独善者ね」とか言ってて笑える。
・使徒の中でも屈指の弱さを誇るマトリエルたん。あっという間にやられてしまう。新劇場版『破』冒頭でマトリエルっぽい使徒が出てきたときにはテンションがあがったけど、あちらもあっという間にやられてしまって萌えた。

・次回予告、「数々の功績が評価され、三佐へと昇進する葛城ミサト。しかしそれは、使徒殲滅に己の業をぶつけてきた結果に過ぎなかった。シンジへと語られる彼女の過去。彼はミサトに、自分と同じ感傷を重ねる。だが、成層圏より飛来する最大の使徒は、人々に希望を捨てさせた。次回、「奇跡の価値は」。さて、この次も、みんなでみてね!」
次回の「奇跡の価値は」とその次の「使徒、新入」が終わると総集編気味な回が入るので、そろそろ楽しかった前半パートも一区切り。
 
というわけで次回につづく!
・次回感想→『エヴァ』テレビ版感想:12話 なぜミサトは苛立っていたのか
・全話感想もくじ→『エヴァ』テレビ版〜旧劇場版/『新劇場版:Q』全感想目次