『風ノ旅ビト』感想(途中からネタバレ)

PSネットワークポイントってコンビニのチケット購入端末から買えたんですね。いままでプリペイドカードでチャージしてましたが、これ便利すぎ。調べたらもう何年も前から存在するサービスだったんですね。自分の情弱っぷりに涙が出ました。
というわけでダウンロード専用タイトルの『風ノ旅ビト(原題:Journey)』購入しました。発表当初から注目してましたが、発売されているのに気づかず買うのが遅れました。自分の情弱っぷりに(ry

これ、非常に良かったです。本作は二時間程度でクリアできてしまうのですが、決してお手軽なミニゲームという面持ちではなく、非常に濃密。尺が近いということもあり、本作に触れた人の中にはしばしば「映画を一本見るつもりでプレイしてほしい」と言ってオススメしてくるひとがいますが、個人的にはやはり「映画」とは別物と感じます。というか、非常にゲームらしいゲームです。
自分が思い当たるものだとやはり上田文人の『ICO』や『ワンダと巨像』の系統のように感じました。それは所謂「雰囲気ゲー」のようだからというわけではなく、ゲーム性なども含めて、ですね。一つテーマを定め、ゲームならではのインタラクティブ性を活かして、ビジュアル的、身体的にプレイヤーを世界観に没入させていくという。この手法はプレイヤーの没入感を極限まで高めることになるので、プレイヤーは定められたテーマに関して強い感想を想起させられやすいんですよね。以前も言及しましたが、『ゴッドイーター3』もこの系統の傑作。
ICO』ならば「手を繋ぐこと」、『ゴッド・オブ・ウォー3』なら「(ゴア表現バリバリで)殺すということ」を触媒として、プレイヤーに強い揺さぶりをかけてきたわけですが、『風ノ旅ビト』の場合はやはり「旅」でしょうね。例として挙げた他の作品にピンと来るものがあるひとは是非プレイしてみると良いでしょう。
以下、ちょっとだけネタバレ感想のようなもの。
 
 
 
こっからネタバレ 
殆どネタバレのしようがないゲームですが、これからプレイする人に先入観を持たせてしまっては申し訳ないですからね。
上で象徴とされているのが「旅」であると書きましたが、最後までプレイしたときにもうひとつ、「光」があるように感じました。光=生命、と考えても良いと思います。
本作ではとにかく光り輝く山の頂上を目指して旅をするわけですが、ゲームの最期、山の頂上で光体となったプレイヤーキャラは流れ星のように、どこかへ飛んでいってしまいます。エンディングではそれまでの道のりにあった美しい景色の数々が映しだされますが、やがて場面は夜となり、光体は地平線の向こう側へと落ちて行き、新しい朝とともに、また新しい冒険が始まるわけですね。
とにかく美しいエンディングだと思うのですが、私的には最後の夜の風景がとても印象的で、あの満天の星空がグっときたんですよね。最初はただの光体となったプレイヤーキャラは、単なる「光体」にしか思えなかったんですが、それが突然「流れ星」として認識されて、グレンラガンの「天の光はすべて星」じゃないですけど、それまで見てきた綺麗な風景全てが、輝きをもった生命が存在した証のように思えてきて。思えばネットワークプレイをしているときは、画面の端に光が差しこむことによって、近くに他のプレイヤーがいるのを知らせてくれたりしますし。
そうそう、初プレイ時はネットに繋いでいるとオンラインプレイになると知らなかったんですよ。なので一緒に旅をしている相手はNPCだとばかり思ってて、「やたら賢いNPCだなー」とw 後で知って感慨深くなりましたね。いやほんと、良いゲームですよこれ。