スト4はダメだったけどスト鉄の春麗はわりと可愛い

※このエントリは物凄い勢いで主観に基づき書かれています
先日スト鉄の感想を書きましたが、良いところを一点紹介し忘れていたことを思い出しました。それは、スト4シリーズに比べ春麗が全体的に可愛くなっていること。やはりここは超重要ポイントですね(キリッ
スト4だとどうも可愛くなくて、春麗が画面に映るたびになんだか悲しい気持ちになっていたのです。ひいき目にみてもコスプレしてるお姉さん(しかも可愛くない)くらいにしか見えなかったですもの。特に家庭用版の春麗は残念で…。無印のアーケード版はそこそこ見れる感じだったはずなんですが、家庭用に移植された際に顔のモデリングが修正されて、それが見事裏目に出ていた印象がずっとありました。
スト鉄が発表されたときも、スト4のモデリングが流用されると聞いてなんとも落胆したものでした。…がしかし!それがどうでしょう、蓋を開けてみたら意外や意外、以前のバタ臭い感じが随分抜け落ちてるじゃありませんか!さっそくキャプって比べてみましょう。

スト4シリーズの春麗
 
正直これじゃない感が漂っている春麗さん…。特に勝利コメントが出るときの顔の微妙さがやばい…。
ちなみにこちらは正確にはスーパーストリートファイター4の家庭用からキャプってきてます。一応家庭用の無印スト4からもキャプってみたんですが、目に見える違いが無かったのでそちらは割愛。

スト鉄の春麗
 
 
 
なんだかちょっと雰囲気良くなってる気がする春麗さん。

スト鉄はキャラクターの色味がやたらギラギラテカテカしていて、その辺はよく批判の対象にもなっているんですが、こと春麗に限っていえばそれが功を奏している気がします。くっきりした色になったことで、スト4のときよりずっとシャープな印象を受けますね。ムービーなどでキャラがアップになったときが一番顕著なんですが、通常のプレイ画面でも印象の違いは受けます。

プレイ画面の比較 (左:スト4 / 右:スト鉄)

春麗はもともと派手な衣装を着てるのでギラギラした色合いもマッチしている気がします。コスプレしてるバタ臭いお姉さんという感じはなく、しっかり「キャラ」という印象を受けます。
このギラギラした色合いは最近だとマブカプ3の春麗に近いのかな。

(左:スト鉄 / 右:マブカプ)

 
そしてプレイ時やムービー時だけでなく、キャラ選択時の絵もスト4のときから随分なイメチェンを果たしました。

キャラ選択画面の比較 (左:スト4 / 右:スト鉄)

左のスト4時代の絵はイケノ氏によるイラストだったはず。スト鉄のほうはイラストではなく、対戦時の立体モデルが使われていて、キャラ選択時には動いてます。

先日たまたま読んでいた関連記事でスタッフの方がキャラ選択画面について言及されていたので引用します。

注目して頂きたいのは、キャラクター選択画面が「ストIV」シリーズのようなイラストではなく、リアルタイム3Dグラフィックスになっている点ですね。もともと「ストIV」シリーズでも2Dイラストでなく、ゲーム中のモデルで表示したいという要望はあったのですが、今回はデザイナーさんの強い希望と労力により実現しました。ゲーム中とはひと味違うイラストに見えるような工夫がされています。

西川善司の3Dゲームファンのための「(スーパー)ストリートファイターIV」グラフィックス講座(後編) - GAME Watch

 
今だからこそ言わせてもらいますが、スト4のときの女性陣キャラのイラストは全体的にショックでした。スト2時代の泥臭さを再現するのがコンセプトとしてあったとはいえ、スト3のシャープでスタイリッシュな絵のあとだったのでなおさら…。

シャープでスタイリッシュなスト3 3rdの絵

 これが…スト4で↓こうなる
で〜ん
以上のイラストは全部イケノさんによるものだったはず(描き分けが凄い!)。3rdのイラストは今見ても惚れぼれするんですが、おかげでスト4での方向性の違いには戸惑いました(特に左のイラスト)。スト4ではリュウなんかも以下のようなイカツイ感じになっていたので、それと合わせる意味合いがあったのでしょうけれど…。あとは昔以上に海外マーケットのことを意識した結果、絵柄を変えてきたということでしょうね。前作のスト3シリーズが海外でウケなかった理由について色々考えたと、以前カプコンの小野プロデューサーがどこかのインタビューで語っていたのを見た記憶があります。
←イカツイリュウ
スト4後のスパ4ではゴツさがだいぶ軽減された絵柄に変わってましたが…↓

 
なんにしても、バタ臭い春麗が可愛くなってくれて良かった良かった。しかしここまで書いてきてやり残したことが一つ。そういえば無印スト4のアーケード版と家庭用版スト4の春麗の比較をしてませんでした。無印4のアーケード版で高画質で録画されたものってなかなかみつからないので、動画を探してくるのが面倒なんですよねー…。と、ググること3分、そこそこ高画質でアップされていたのを見つけたので早速拝借させて頂きました。

左:アーケード版 / 右:家庭用版

えー、今回エントリを書くまでは家庭用版とアーケード版はゲーセンで見た記憶を頼りに「アーケード版の方が微妙に可愛くね?」と、かなり漠然と思っていた程度で、実際こうして並べて比較したのは初めてなんですが…これはひどい

最初のバージョンのほうが美人とかどういうことよこれ。この変更はまさしく「どん判」でしょ…。以下、戦犯の方たちのインタビュー。

―他に苦労したキャラはいますか?
亀井:春麗が…(笑)。
塚本:春麗はすごくよく変わったなあ!何回モデルが変わったのかもう…わからないくらい(笑)。
亀井:ロケテストの後にも顔が変わりましたからね。
塚本:あの頃の春麗は、今とは全然違うよね。
亀井:ロケテストの時のアンケートなんかでユーザーの皆さんが違うものを望んでるっていうのがわかったんで、そこからはとにかく他のキャラの調整を早めに片付けて、モデリングの担当デザイナーと「春麗強化月間」的なものを作って調整してました(笑)。
塚本:あったあった(笑)。何回かやってたね、アーケード春麗強化月間、家庭用春麗強化月間…。
亀井:モデル自体は担当のデザイナーがかかりっきりでやるんですけど、
顔が変わるごとにフェイシャル(表情)も付け直しなんです。春麗のフェイシャルは僕が担当してたんで、担当デザイナーがモデル修正した後で僕がフェイシャル付け直して、それから再度二人でとチェックして、そこで「うーん…じゃあもう一回直そうか」みたいな(笑)。そういうのをずーっとやってましたね。

SAIKYO BLOG

テキトーに改変して悪くなってしまったのではなく、工夫に工夫を重ねた結果ダメになってしまったようなのがまたやるせなさを増幅させますね…。ラーメンマニアが一般人向けのラーメンには満足できなくなり、ラーメン二郎的な一癖あるものを好むようになるという例のアレ的な理由で家庭用版の春麗が可愛く見えてきてしまったのだろうか…。切ない…。