ピングドラム9話感想(Part4/4) 鯉の生き血と宮沢賢治 と

ところで回想シーンで「鯉の生き血」にまつわるエピソードがある。可愛い子ども達がニコニコしながらバットで鯉を撲殺しようとする様には強烈なインパクトを覚えたが(妙に明るいBGMもキチガイ感を増してくれていて実に良い)、実はこれ、元ネタがあったらしい。宮沢賢治が晩年、病気で弱っていたときに、賢治の両親が病に効くからと、鯉の生き血を飲ませようとしたところ、そこまでして生きたくないと泣いて嫌がったとかなんとか。
ちょっとググってみたところこんなのが出てきた。

http://www.lib.kagawa-u.ac.jp/metadb/up/AN00038157/AN00038157_43_175.pdf(pdf注意)
岡屋昭雄「宮沢賢治論 ―生命あるものを食べることの苦悩を超えて―」
6ページ目(左上にかかれたページ数では「180」)で「鯉の生き血」のエピソードについても触れられている。

個人的には恥ずかしながら、宮沢賢治の作品は『銀河鉄道の夜』の最初らへんを読んだだけだったし、彼の思想や生き様などについても殆ど知らなかったのだが、なるほどこういう人だったのかー!(←最初の6ページを流し読みしただけで知ったかw)
以前『ヱヴァ破』を見て宮沢賢治を思い出したと言っていたのは氷川竜介さんだったかな。そのときはなぜ宮沢賢治の名前を出したのか分からなくて、調べる事を忘れてそのままにしてしまったが、数年の時をへて疑問が解けてすっきりした。(逆に発言者が誰だったか記憶があやふやになってしまったが(笑)。
ピングドラムに話を戻すすと、これって見事、前に(http://d.hatena.ne.jp/samepa/20110903/1315073313とかで)自分が言っていた、『ピングドラム』は「どこまで他者に犠牲を押し付けてまで、自分(達)の幸せを追求しても良いのか」という事を大きなテーマに据えてるんじゃないかって話に当てはまるんじゃないかな。あの辺が宮沢賢治に関係していたとは驚き。やはり『銀河鉄道の夜』くらいは早めに読んでおこうかなぁ。あ、村上春樹の「かえるくん、東京を救う」の方は先ほどこっそり読み終わりました。