『ピングドラム』4話感想

ファビュラースマックス〜♪
 ペンギン共自重しなさ過ぎ!今回は観終えたとき、ハトプリや桜蘭ホスト部の1話を観た時のような曇りひとつ無い清清しさを覚えました。ひたすら軽快でひたすら面白い。僕は自身では観ていないのでなんともいえませんが、今回のエピソードを観て『おジャ魔女どれみ』の名前を出す人もいましたね。

 ミュージカル風な場面は1〜2回半端にやるのでなく、一貫してやり通した事に大拍手。適当にミュージカルなシーンをはさんでいのではなく、ひとつひとつキャラの動きから舞台演出、歌詞と全てこだわりまくっていて驚きですよ。寝る前に繰り返し観すぎたせいで、起きたら頭の中で「ワタシは女優♪ワタシは女優♪ワタシは女優♪」とループが止まらず大変だったのはナイショ・・・。
 特にミュージカルの「ムシケロリン」の場面は秀逸。それまで「ミュージカル=りんごの妄想」というのを刷り込まれてきていたのに、ミュージカルが終わると赤く腫れた手をさする時籠ゆり!ミュージカルが「実際に起こった事の写し鏡」となっていた事が後から分かるという刺激的な演出。うまいなぁ。
 散々ミュージカル空間ではしゃいだ後、現実にひきずりもどされ、「このあいだのカレーはまあまあだったわね。心配しないで、靴は処分しといたワ^^ でも、貴女に勝ち目はないと思うけど?」と、腹黒さ垣間見えるゆりさんにたたみかけられるのもファビュラス。
 
 ところでりんごちゃん。2話アバンで鏡を覗き込むシーンや3話のアバンの部屋の中、カバンに付いてるヒトデやクラゲのストラップや、タブキ宅の床下でウットリしてる最中などで、度々「海底」を連想させるものが出てきてますが、今回見事に溺れてましたね。あれだけ水中を連想させてきたキャラがコミカルなノリで溺死しそうになってるのを見て、なぜかそれがたまらなく可笑しく思えました。・・・あ、今それでふと気付きましたが、やたら海を連想させるものがつきまとうりんごちゃんに対して、タブキの象徴言えば「鳥」(鳥が好きで、OPでも鳥かごをバックに佇んでいる)。海と空、離れているもの同士、元々上手くいくはずない二人だったというのを暗に表してるんじゃないかなとか思ったり・・・。あ、でも海と鳥だったらそれこそペンギンがいるか。
 他の細かい所ではカンバの性格について気付いた点が。カンバは今回りんごちゃんのデートに「ちょっとヤボ用があるから」と同伴しなかったわけですが、これはちょっと見過ごせない。ショウマは勝手に「また女がらみか?」と呆れていて、実際に女がらみだったのでカンバ本人も「天罰だ・・・!」と嘆いていたので見過ごしそうになりますが、カンバはメールを受けて待ち合わ場所に向かうまではピングドラム関連の問題と考えて行動していたはずです。誰が来るか、何が起こるか分からない待ち合わせ。それを「ちょっとヤボ用があるから」と説明して、危険からショウマを遠ざけていた事になりますね。あらやだ、性格までイケメン。
 
 というわけで、今回はとにかくペンギンネタとミュージカル演出が愉快で愉快でたまらなかった。そして1話通して愉快な展開を続けた後、最後にあれだけ急転直下の鳥肌サスペンスに繋げられてしまうのはズルイ!自由過ぎる。
 来週もファビュラス展開期待。