『ヒックとドラゴン』のドラゴンはペットなのか

 以下、『ヒックとドラゴン』についてそれなりにネタバレな内容。本編観て無い人はこの記事を読むなとは言いませんが、今すぐ急ぎ足でTSUTAYAに行って本作を借りてくることをオススメします。2010年を代表する傑作映画です。
 
 
 さて皆さん、『ヒック』のラスト付近で主人公のヒックがドラゴンの事を「ペット」と呼び、「友達」だとか「相棒」だとかいう表現を期待した観客がズコーっとなった事件をお覚えでしょうか。それまで散々「共存」だとか「対等な関係」だとかの描写を積み重ねておいて、最後の最後に「主従関係でしたw」は無いだろうというのは誰しも頭をよぎるところだったと思います。が、前回書いた感想ではそこには全く触れませんでした。というのも、台詞からは「主従関係」と受け取れてしまいかねない箇所であっても、映画の流れからいってそうとは考えられなかった(考えたくなかった)からです。なので視聴直後は「いや、そもそも「ペット」という語感から嫌な印象を受けただけであって、吹き替え版でない元の英語版なんかでは「パートナー」的ニュアンスだったに違いない!それか単なる言葉のアヤに決まってる!」と決め付けて思考停止してました。
 しかし今夜ふとその時の疑念がふつふつと再燃してきまして、「ヒックとドラゴン ペット」でググってみたところ、同じような疑問を抱いていた方達の感想文が出るわ出るわ。そしてだいたい決まってそういう人達の出している結論は「この映画途中まで良かったのに最後の最後でガッカリした」といったもの。・・・・・それじゃだめなんだよ!僕はこの傑作にガッカリしたくないがために今までこの疑念を心の奥底に閉じ込めていたというのに!誰か僕になんとか好意的に納得できるような言い訳をくれ!・・・・・と、思ってたら見つかりました(笑) それもなんと「いいわけ」どころかきちんと納得できるような理由が!!
とりあえず、まずはこちらをご覧下さい→http://kagehinata64.blog71.fc2.com/blog-entry-31.html
以下引用。上記リンク先にあったamazonレビューからの孫引きで失礼。

ラストのヒックの吹き替えでの「ペット」という言葉に、ひっかかっている人が他のレビューを見ても少なからずおられるようだ。

実は、
「唯一の悩みは」と冒頭で語り、それはドラゴン=「害虫」であるとしている。
それに対応するラストの語りは「自慢できるもの」=「ペット」である。
「The only problems are the pests.」
「The only upsides are the pets.」
原文を並べるとこうで、英文学等によくある「韻を踏む」表現であり、脚本での言葉遊びであるとわかる。

そもそも日本語に訳された時点で、「韻を踏む」というのは崩壊しているので、字幕作成者はもう少し考えて頂ければよかったのかなと思う。

吹き替えで聞くと、「それはペット!」と「ペット」が強調されて聞こえるので、よけい耳に残るのかもしれない。
字幕だとさらっと聞こえるので、あまり気にならない。

という事だそうです。いや〜よかったよかった。安心した拍子に勢い余ってamazonでBD注文してしまいました。