岡田斗司夫の『遺言』

 岡田斗司夫氏のトークイベント「遺言」シリーズがついに書籍化され、本日発売されました。
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 三千円弱という高めの値段設定ですが、実際手にとれば納得のいく内容。僕もまだ最初のさわりの部分しか読めてませんが、岡田さんの視点でDAICON時代からのガイナックス社史などが伺えて実に面白い。ガイナファンなら迷わず「買い」の一冊です。
現在読んでいるのはまだまだ序盤ですが、今のところ一番興味深かったのがDAICON時代の作品に込められた「テーマ」のお話。この辺について岡田さん(というかDAICONメンバー)が語っているのはこれまで見たことが無かったので、新鮮な発見の連続です。DAICON時代に『帰ってきたウルトラマン』で庵野さんが監督を降ろされたとか、『愛国戦隊大日本』を作ったらSF界の左翼系の人たちに叱られたとかのゴタゴタはなんとなくは知られていても、実際彼等がどういったモチベーションで、何を原動力に作品作りに励んでいたかというのは見えてこない部分だったと思います。なのでその部分をフォローしてくれているのは実に大きい。長くなるのであえてここではその具体的内容には触れませんが、気になった人は立ち読みでもなんでも本文を読まれることを強くおすすめします。
 それと岡田さんはDAICONⅢ〜DAICONⅣにかけての作品作りを通して、

 「作者は「作品」にテーマを込める。おかげで「作品」はクオリティが上がって面白くなる。結果、観客は「作品」を見たとき、自分が見たいテーマをその中に見つける。でも、自分なりの「テーマ」を見つけられるほど内容に没入できるのは「面白い」から。(『遺言』p.58) 」

 と、当時獲得した物作りの基本的な理念について述べていますが、この基本理念を見るだけでもDAICON時代がいかに後の庵野作品・ガイナックス作品の方向を決定付けたかが分かりますね。ここから読み進めるていくのが楽しみです。
 そうそう、内容は気になるけどやっぱり値段が高い!って人はまずはお試しということで「遺言」トークイベントのブログレポートを探してみるのもおすすめです。
http://johakyu.net/archives/2008/01/2008-01-23-000756.php
シャア専用ニュース 新宿ロフトプラスワン「岡田斗司夫の『遺言』第三章」レポート
「岡田斗司夫の遺言」レポート提出 - 端倉れんげ草
 この「遺言」シリーズに限らず岡田さんのイベントは適当にググっただけで以上のような面白いレポートがチラホラ見つかるかと思います。