暴論すぎて笑ってしまう記事が400ブクマ以上集めていた。
“GRIDMANは深夜アニメなので子どもが観ない。そのためゾーニングできているという言い分もありうるのですが、ヒロインのセミヌードグッズを売るなら最初から作品を18禁にしておけよ!と僕はいいたい”
“GRIDMAN製作委員会も大きなお友達に金を使わせたいんだったらオリエント工業とコラボでヒロインのラブドールを作ったらいい”“抱き枕と本編の水着のデザインがまったく同じだったため、GRIDMANの制作スタッフはアニメ本編を抱き枕のプロモーションに利用したんじゃないか?という印象を持っている”
同じトリガー作品を見渡してみても、過去に抱き枕が発売されたのは『キルラキル』『異能バトルあ日常系のなかで』『キズナイーバー 』と少なくとも3作品(『ダリフラ』の抱き枕が無いっぽいのが意外すぎた)。さらに前身となったガイナックス時代にも『天元突破グレンラガン』『パンティ&ストッキングwithガーターベルト』で発売されているわけだけど、これらの製作委員会全てがアニメをナメていたと考えているのだろうか。
「ヒロインのセミヌードグッズを売るなら最初から作品を18禁にしておけよ!と僕はいいたい」
そう思うのは個人の自由だが、それを全ての作品・人に押し付けようとする傲慢さのほうがよほどアニメをナメているように思える。
とはいえ僕自身もアニメ誌などでシチュエーションや肌色のバランス感覚が狂った版権イラストを見ると、どちらかというと違和感を持つほうだったりする。不自然に半裸な抱き枕に違和感を覚える感覚も理解できる。
最近だと「プリキュア」の抱き枕カバーは進歩的なテーマを扱う本編とのあわせ技でなかなか倫理観を揺さぶられた。
【新商品】11/3(土)発売『まくらカバー ~HUGっと!おやすみ~』各¥8,000(税抜)はな・さあや・ほまれ・ルールー・えみるの5人のかわいいイラストのまくらカバーが登場だよ♡ ※お1人様1日各1点までとさせていただきます。 並び直し等もご遠慮ください。 #PPS #プリキュア #プリティストア pic.twitter.com/mKKSGbwRNd
— プリキュアプリティストア (@pps_as) October 22, 2018
でもこれがねこ娘抱き枕カバーになると、なんとなくセーフな気がしてくる不思議。水木先生も「妖怪がお金を運んできてくれるならOK(大意)」って言ってたしな……。
コミックマーケット94「ホビーストック」ブースの物販情報の公開に先駆け販売アイテムをご紹介!「ゲゲゲの鬼太郎 ねこ娘 添い寝抱き枕カバー アクリルフィギュア付限定版」を先行販売いたします! https://t.co/Gy7VdaI2iv #ゲゲゲの鬼太郎 #comike #C94 pic.twitter.com/O0wTa8tWeA
— ホビーストック@紳士 (@HS_shinshi) July 13, 2018
あと「プリティーオールフレンズ」の抱き枕は発売中止になったりしましたね。
最近もう一つ興味深かったのは、放送中のアニメ『イングレス』に関する以下の“自主規制”。
櫻木:
指摘されたのは女性の露出が多いシーンですね。キャラクターデザインの段階で、ヒロインのサラにネグリジェっぽいものを着せた絵を出したら「これはダメだ」と言われました。
石井:
「セクシー」ならいいんですけど、いわゆる「ちょっと年齢が低く見える女の子」という日本のアニメ特有の表現は、海外においては非常にセンシティブなところという感じがします。アダルトなものに対する制限というよりは、そういった社会的・常識的な部分でした。
同作は海外企業Nianticのゲームが原作で、テレビに先行してNetflixで全話配信されている。海外市場をある程度意識した作品での性的表現の扱いについて少々考えさせられた。
ちなみに一概に「海外基準」と言っても、Netflixオリジナルアニメ「DEVILMAN crybaby」のエログロバイオレンスっぷり一つを見ても作品や語り口によっていろいろなのだと分かるかと思う。
表現のセーフorアウトはケース・バイ・ケースというかグラデーションのように白黒付けられないことが多い。最近国内でも急速にポリコレ意識が高まってきたのか、いろいろと線引きについて議論が活発化している。それ自体は良いのだが、今回のような極端な暴論も簡単にバズるような下地が出来上がっているのはどうも居心地が悪い。
線引きをどのようにしていくかは冷静に議論すべきことで、気に食わないアニメ・グッズに消えてほしいという自己中心的な発想でしてほしくない。