『エヴァ』テレビ版感想:5話 途中何度も散見されるモチーフ

新劇場版ではカットされているちょっとした場面が、テレビ版ならではのアクセントに見えてくる。
 
第5話、「レイ、心のむこうに」
 
・シンジくんがマジ病みモードを脱し、物語に一区切りついたので綾波にスポットを当て始める回。
新劇場版のおかげで6話(ラミエル戦)までが1セットというイメージが強くなっていたが、ドラマ的には4話に最初の大きなヤマがあったことを再確認できた。
・ゼロ号機の実験中の暴走。カメラの位置によって窓ガラスが残ってたり、なくなってたりするのが面白い。明らかにミスなんだけど、細かいことは気にしてはいけない。


・殺人現場のチョークみたいに初号機が落ちた跡がマークされてる小ネタが和む。アスカとのユニゾン回も、敵を撃破した初号機&2号機が犬神家っぽくなってたし。こういったノリは前半ならでは。

・「綾波の胸!綾波の太もも!綾波のふくらはぎぃ!」 前回ネルフを出ていく一歩手前まで行ったのに、早くも仲が良くなっている様子。前回のラスト、駅に駆けつけたミサトがシンジと和解していたが、その横にはトウジとケンスケもいたんだよな。案外帰りにラーメン屋にでも寄っていたのかも。
・「シンジ視点」の楽しそうにお喋りする綾波&ゲンドウ。実際はもっと淡々と喋っているはず。


・お呼ばれされたリッちゃん。この頃は本当にミサトと仲良しさん。珍しく露骨な漫符も飛び出す。

・シンジに綾波のIDカードを届けさせるリツコ。新劇場版では「仕組まれた」感が強調されてたが、テレビ版だとリツコが綾波を避けているかのような印象を受ける。それか、単に忙しくて綾波宅まで行く時間が惜しいだけかもしれない。
綾波の部屋に不法侵入するシンジ。
・「目」(1話感想で触れた摩砂雪インタビュー参照→http://d.hatena.ne.jp/samepa/20121018/1350557714

綾波のムっとした表情が可愛い。

・「目」


・「手」(摩砂雪インタビュー参照)

 
綾波になぜ来たのか尋ねられ、言い訳しながら生唾を飲み込むシンジ。

口元がアップになる場面て他に何があったっけ。EOEで唇をペロっとするシーンはあったけど。

ペロっとするのは補完に伴い、ミサトなどの「嫌な面」を垣間見た直後。あのあたりでは、特にミサトとカジの性的な関係に対する嫌悪を表す描写が印象的。ちなみにペロっとする直前には「手」のカットもある。

展開敵にはこの後、アスカの首絞め、補完計画発動…と続いていく。
口元のアップだが、EOEにはもう一つ印象的なカットがあるのを思い出した。映画冒頭、カヲルの死を想起させる像の横で、シンジが佇んでいるシーン。


この後、場面変わって有名なシンジの自慰シーンがある。
パッと思い出せた範囲では、口元のアップは「性的な何か」「生々しさ」「嫌悪感」といったことを連想させるものばかりだな。先日公開された新劇場版『Q』の新しい予告編において、やはり口元のアップのシーンがあった(14秒あたり)が、そちらでも同様の印象を受けた。果たして実際にはどういった場面になっているのだろうか。


こちらは作画の芝居が強烈なので、本編ではまた別な意味が込められているのかもしれない。絵面的にはEOEにおけるエレベーター横での「ミサトさんだって他人のくせに、何もわかってないくせに!」に似ている気がする。

 
・シンジ「綾波は怖くないの?またあの零号機に乗るのが」綾波「どうして?」シンジ「前の実験で大怪我したんだって聞いたから平気なのかなと思って」 自分と境遇が似た綾波エヴァ搭乗の理由を聞くシンジ。この後ゲンドウの悪口を言って綾波にはたかれる。
・シンジは途中から「なぜエヴァに乗るのか」と堂々巡りの自問に陥っていくが、序盤の明確な目的としてはゲンドウが有ったんだよな。この時期にゲンドウとの関係が決定的に決裂していたらシンジは本当にもうエヴァには乗らなかったかもしれない。
・次回予告「シンジは助かった。だがその傷は、彼に甘えた言葉を吐かす。突き放すレイ。一方ミサトは使徒に対し、一点突破の超長距離射撃を試みる。シンジの願いと日本中のエネルギーは、果たして使徒を貫けるのか。零号機が溶けてゆく。次回、「決戦、第3新東京市」。」
「甘えた言葉を吐かす」とか、シンジに容赦ない次回予告w シンジのドラマは一旦前回までで収束を迎えているので、確かに「もうまた弱音言ってるのか」感はあるんだけど。
 
今回の感想は画像に頼りすぎた気がするので、次はもっとバランス良く行きたいな。
というわけで次回に続く。
・次回感想→『エヴァ』テレビ版感想:6話 笑顔が持つ含み
・全話感想もくじ→『エヴァ』テレビ版〜旧劇場版/『新劇場版:Q』全感想目次